2002 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用を用いた細胞分裂の分子制御機構の解析
Project/Area Number |
02J00271
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小谷 友也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC2
|
Keywords | Cyclin B / Cdc2 / Cell cycle / XMAP215 / Microtubule |
Research Abstract |
MPF(M期/卵成熟促進因子)はすべての真核生物の細胞分裂と減数分裂を制御する因子である。しかし、分裂過程におけるMPFの機能は、現在なおほとんど不明である。私は本研究を開始するにあたり、減数分裂過程におけるMPFの機能を詳細に解析した。その結果、卵の減数分裂(卵成熟)においてMPFが核膜の崩壊、染色体の凝縮、微少管形成中心の形成、微少管凝集体の形態変化と移動に関わっていることを明らかにした。この成果は、Developmental Biologyに登載された。 さらにこれら形態変化におけるMPFの作用機構を解明するため、バキュロウィルス発現系でMPF調節サブユニットのサイクリンB蛋白質を発現させ、卵抽出液と反応させることでサイクリンBに特異的に結合する蛋白質を同定することを試みた。しかし、考え得るすべての条件を試行したが、結果としてサイクリンBに特異的に結合する蛋白質を同定するには至らなかった。そこで私は、ツメガエル微少管結合蛋白質XMAP215に注目し本研究を遂行することにした。この蛋白質はサイクリンBと結合することが報告されているものの、その結合機構や結合が細胞分裂に果たす役割は全く分かっていない。現在までにツメガエル卵巣mRNAからXMAP215のN末1680bpを取り出すことに成功し、さらに大腸菌発現系で蛋白質を発現させ大量精製に成功している。今後、マウスにこの蛋白質を注射し抗体を作製する。作製した抗体を用い、サイクリンBとXMAP215の結合機構及び細胞分裂における機能の解析を目指している。
|
Research Products
(1 results)