2002 Fiscal Year Annual Research Report
TiAl合金への長寿命・高信頼性を有する耐酸化性皮膜の形成
Project/Area Number |
02J00308
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉 岳志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | TiAl / 高温酸化 / 耐酸化性コーテイング / Ti-Al-Ni系状態図 / Al_2O_3スケール / 相変態 / up-hill diffusion |
Research Abstract |
γ-TiAlは約1100Kを越える高温では、非保護的なTiO_2が形成して保護的Al_2O_3スケールを安定に維持できない。本研究では、このAl_2O_3スケールの形成に必要なAl濃度の観点からTi-Al系よりも低いAl濃度で保護的Al_2O_3を長時間安定に維持できるNi-Al系合金に着目し、TiAl上にNiめっき、Al拡散浸透処理を組み合わせNi-Alコーティングを試みた。 その結果、Niめっき後、処理粉末としてAl, NH_4Cl, Al_2O_3を用い高Al活量の下でAl拡散浸透処理を行うと、コーティング最表面にはNi_2Al_3が、さらに合金側にはよりAl濃度の高いTiAl_3が形成し、Alが濃度の低いNi_2Al_3から濃度勾配に逆らってTiAl_3へ拡散する、up-hill diffision現象が生じることを見出した。このコーティング層の形成過程については、Ti-Al, Ni-Al系でAlとの平衡相はそれぞれTiAl_3,Ni_2Al_3であることから、まずNiめっきがNiAlさらにNi_2Al_3にまで変化し、このような高Al化合物中ではAlが優先拡散種であり、Alが一方的に合金側へ拡散し、それに伴って合金表面もAlと平衡するTiAl_3へ変化したものと考えられる。 このコーティングを施したTiAlを1173Kで3600ks酸化したところ、無処理のTiAlで顕著に観察されるスケールの剥離は検出されず、酸化量は約8g/m^2と、比較のために同一条件で酸化したNi基合金IN738LCの酸化量約27g/m^2を下回り、非常に優れた耐酸化性を示すことが明らかとなった。長時間酸化後も、スケールには保護的Al_2O_3が維持され、コーティング最表面はβ-NiAlへ変化するが、合金側にはAl濃度の高いTiAl_2が残存しており、コーティング側から合金側へのAlの拡散を抑制し、コーティング層には高Al濃度が維持され、耐酸化性が著しく向上するとを見出し、このコーティング法をup-hill diffision処理と命名した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshi Izumi, Takayuki Yoshioka, Shigenari Hayashi, Tosio Narita: "Sulfidation properties of TiAl-2Xat%X(X=Si, Mn, Ni, Ge, Y, Zr, La and Ta) alloys at 1173K and 1.3Pa sulfur pressure in an H2S-H2 gas mixture"Intermetallics. Vol.10. 353-360 (2002)
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[Publications] Takeshi Izumi, Takumi Nishimoto, Tosio Narita: "Coating of Ni-Aluminides on TiAl intermtallics through up-hill diffusion"Proc. of the Conf. on High Temperature Materials for Power Engineering 2002. 693-702 (2002)