2002 Fiscal Year Annual Research Report
和周波発生分光法による電極/溶液界面での光励起過程の分子構造ダイナミクス
Project/Area Number |
02J00501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
二本柳 聡史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 和周波発生 / 固液界面 / 半導体表面 / その場観察 / 光化学 / 超高速ダイナミクス |
Research Abstract |
まず,ゾルゲル法により比較的平坦な酸化チタン薄膜を溶融石英プリズム上に構築した。この薄膜を用いてSFG振動分光測定により酸化チタン薄膜表面における分子の吸着状態を評価した。具体的には、紫外光照射による酸化チタン表面の光超親水化過程を追跡し、紫外光照射によって水分子の吸着が起きていることを明らかにした。さらに焼成直後の酸化チタン/水界面における水の構造およびそのpH依存性が光照射後のそれとは異なることを見出した。また,酸化チタン表面に吸着したアルコール分子の吸着構造を評価した。これらの結果は日本化学会春季年会で報告予定である。 一方、ダイナミクス測定を行うためにポンプラインの整備を行った。標準試料として砒化ガリウムのキャリアダイナミクス測定を行い,通常の可視ポンプ-赤外プローブ法では観測されない"減衰速度の波数依存性"を観測した。さらに,超高速振動ダイナミクス測定を目指してフェムト秒ブロードバンドSFG分光システムを新規に構築した。このブロードバンドSFG分光システムでは200cm^<-1>程度の範囲の振動スペクトルが波長走査なしで得られるため、時間分解の振動スペクトル測定が可能となる。構築したブロードバンドSFGシステムの動作チェックのために金およびシリコン基板上に構築した自己組織化単分子膜の振動スペクトル測定および砒化ガリウムのキャリアダイナミクス測定を行い、良好な感度を有することが確認できた。この手法を用いて、酸化チタン表面における吸着分子の高速振動ダイナミクス測定を行う予定である。
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