2004 Fiscal Year Annual Research Report
2-アジド-2-デオキシ糖を用いるグリコシル化反応の開発とオリゴ糖鎖合成への展開
Project/Area Number |
02J00512
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 敏史 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 複合糖質 / O-結合型糖ペプチド / グリコシル化反応 / 2-アジド-2-デオキシ糖 / ジフェニルホスファート / テトラヒドロフラン / 2-アセトアミド-2-デオキシ-α-グリコシド / オキソニウムイオン |
Research Abstract |
2-アセトアミド糖のα-グリコシド結合は通常隣接基関与を伴わない2-アジド糖のグリコシル化により構築される。しかし、これまでの膨大な研究例にも拘らず立体選択性と収率を両立している例は少ないのが現状である。そこで筆者は2-アセトアミド糖のα-グリコシドとして天然に最も幅広く存在している2-アセトアミド-2-デオキシガラクトシルセリン(スレオニン)の立体選択的な構築法の開発を目的として、グリコシル化反応の検討を行った。種々のO-結合型糖鎖の合成に適用実績が多い保護様式である4,6位水酸基をベンジリデンアセタールとして保護した2-アジド-2-デオキシガラクトシルジフェニルホスファートを糖供与体として用い、セリン誘導体との反応を行った。種々検討を行った結果、モレキュラーシーブス5A共存下、テトラヒドロフランとエーテル1:1の混合溶媒中、TMSClO_4を反応剤として用い-20℃にて反応を行った場合に、最も高いα-選択性で収率よく目的のガラクトシルセリンが得られることを見いだした。最適化した反応条件はスレオニン誘導体のグリコシル化にも有効であり、高いα-選択性でガラクトシルスレオニンを得ることができた。また、本反応条件を保護様式の異なる糖供与体のセリン誘導体とのカップリング反応に適用したところ、3,4,6位をベンジル基で保護した2-アジドガラクトース糖供与体にも有効なことが分かった。一方、3,4,6位をアセチル基で保護した糖供与体の反応には適さないことも分かったが、この基質に関して反応条件の再検討を行ったところ、TMSClO_4を反応剤として用い、モレキュラーシーブス5A共存下、ジオキサン中室温にて反応を行うことで、目的とするガラクトシルセリンが高収率かつ高α-選択的に得られることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)