2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工酵素としての光学活性アンモニウムヒドロキシドの創製
Project/Area Number |
02J00562
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 三舟 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 相間移動触媒 / 不斉四置換炭素 / アルキル化反応 / α-アミノ酸誘導体 / Weinrebアミド / チアゾリン |
Research Abstract |
炭素-炭素結合形成反応は化合物の骨格を形成する最も重要な反応の一つであるが、その中でも不斉四置換炭素の構築は未だ困難な課題である。特に、二つの異なるアルキル側鎖をもつα-二置換型アミノ酸は、α位が高度に置換されているために通常のα-アミノ酸とは異なる特徴を有し、新たなキラル素子としても興味深いことから、これらを光学的に純粋に得るための効率的合成法の開発が強く望まれていた。これまでに私は、C_2-対称軸を有するN-スピロ型光学活性四級アンモニウム塩を触媒とした相間移動反応により、様々なα-アミノ酸誘導体の不斉アルキル化反応の実現に成功している。これを踏まえ、今年度は主に次の二つの研究課題に従事した。 1)すでに本触媒反応がα-アミノ酸アミド誘導体の不斉アルキル化反応に適用可能であることを報告しているが、より幅広い官能基変換を実現するためにこれをWeinrebアミド誘導体へと拡張し、α位の不斉アルキル化反応とそれに続くアミノケトン、アミノアルコールへの変換反応が効率よく行えることを見出した。 2)これまで基質として用いてきたα-アミノ酸誘導体は、N末端がシッフ塩基により保護されたものが一般的であったが、より実用的な触媒的不斉合成法の開発を目指し、天然物の部分骨格の直接的な不斉アルキル化反応を試みることにした。チアゾール等の複素芳香環とチアゾリンが連結した化合物は天然物中に多く見られるが、不斉四置換炭素を有するチアゾリン部位の合成はこれまで光学分割によってのみ行われてきた。そこで、これら複素環化合物の不斉アルキル化反応を検討した結果、高い収率と選択性で生成物が得られることを見出した。
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Research Products
(1 results)