2003 Fiscal Year Annual Research Report
Rh錯体触媒によって合成した置換ポリアセチレンの光吸収帯の新分子設計コンセプト
Project/Area Number |
02J00584
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
馬渡 康輝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロジウム錯体 / ポリアセチレン / 立体規則性重合 / 光吸収帯 / 色彩可変 / カラムナー / 自己組織化 / ラセンポリマー |
Research Abstract |
1:パラ位にアルコキシフェニルエチニル基を有するフェニルアセチレンを系統的に合成しロジウム錯体触媒:[Rh(nbd)Cl]_2の存在下、重合溶媒としてトリエチルアミン(NEt_3)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて、30℃、2時間重合を行った。ポリマーは非常に高収率(80%以上)で得られ、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)よりクロロホルム可溶部数の平均分子量は10万から20万と算出された。生成ポリマー主鎖の幾何構造の解析を^1HNMR、共鳴Raman、電子スピン共鳴(ESR)を用いて行い、アルキル基の種類や重合溶媒の違いに依らず、いずれのポリマーもほぼ100%シス体であることを明らかにした。 2:生成ポリマーの色は重合溶媒に大きく依存し、NEt_3の場合はオレンジ色(poly-O)であり、DMFの場合は赤色(poly-R)であった。拡散反射紫外可視吸収スペクトル(DRUV-Vis)測定では、poly-Oは430nmに吸収極大を示し、Poly-Rは540nmに示した。また、poly-Oをクロロホルム雰囲気下に室温で数分放置した場合、ポリマーの色は黒色(poly-B)に変化した。このポリマーの吸収極大は500nmにシフトし、500から800nmの吸収が大きく増加した。いずれのポリマーも同一の主鎖構造(シス体)を有することが明らかであるため、ポリマーの色の違い、即ち吸収帯の違いは主鎖共役差長とは関係せず、高次構造の違いに依存すると考えられた。これらのポリマーの粉末X線回折(XRD)測定結果から、poly-Oはほぼ非晶であり、poly-Rは結晶部が含まれており、poly-Bは更に結晶化度が増加していることが明らかになった。また、結晶部はラセン構造のポリマーが最密充填された疑ヘキサゴナル構造(カラムナー)であることが明らかになった。 上記1及び2より、ロジウム錯体触媒を用いて合成した、アルコキシフェニルエチニル基を側鎖に有するポリフェニルアセチレンの吸収帯は、カラムナー含有量に大きく依存していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuteru Mawatari: "Super π-Conjugated Helical Polyacetylenes Having A Phenylethynyl Moiety as Nano Color Columnar Prepared with Rh Complex Catalysts"Polymer Preprints, American Chemical Society. 44・2. 691-692 (2003)
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[Publications] Masayoshi Tabata: "π-Conjugated Columnar Polyacetylenes Prepared with Rh Complex Catalysts"Macromolecular Symposia. 192. 75-97 (2003)