2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J00813
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 弥 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 表情 / 視線 |
Research Abstract |
本年度は大きく分けて,(1)表情,(2)表情×視線の交互作用,という2つのテーマを検討した. (1)表情について 動的表情の心理過程を明らかにするため,心理実験を行った. 第1の研究では,動的あるいは静的に呈示される表情に対する情動反応を検討した.実験の結果,静止表情に比べて動的表情に対して,強く情動反応が喚起されることが示された. 第2の研究では,動的あるいは静的に呈示される表情に対する被験者の表情筋運動反応を検討した.実験の結果,静止表情に比べて動的表情に対して,強く模倣的な表情運動反応が起こることが示された. これらの結果は,動的表情に対して情動的・運動的に反応するための心理機構が存在することを示す. (2)表情×視線の交互作用について 表情と視線の神経基盤には共通性が見られ,心理学的にも交互作用が存在することが示唆される.この問題を検討するため,心理実験を行った. 第1の研究では,被験者のほうに視線を向けたあるいは向けない表情に対する表情認識課題を検討した.実験の結果,いくつかの情動カテゴリの表情において,表情認識が視線方向の影響を受けて変容することが示された. 第2の研究では,被験者のほうに視線を向けたあるいは向けない表情に対する記憶課題を検討した.実験の結果,いくつかの条件において,表情の記憶成績が視線方向の影響を受けて変容することが示された. こうした結果は,表情と視線を組み合わせて状況に応じた柔軟なコミュニケーションを実現する心理機構を明らかにするものである.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Emotion recognition from facial expressions in a temporal lobe epileptic patient with ictal fear2005
Author(s)
Yamada, M., Murai, T., Sato, W., Namiki, C., Miyamoto, T., Ohigashi, Y.
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Journal Title
Neuropsychologia 43
Pages: 434-441
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