2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J00927
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西條 統之 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 相対論 / コンフォーマル・フラット近似 / 高速回転星 / 星の動的な不安定性 / 重力崩壊 / 重力波 / 流体動力学 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1).回転する中心核の重力崩壊における星の動的な棒状の不安定性 我々は高速回転する相対論的な星の中心核の重力崩壊を相対論におけるコンフォーマル・フラット時空の近似の元で(3+1)形式で流体動力学シミュレーションを行った.我々は回転する中心核の重力崩壊の反跳部分に着目して研究した.なぜなら放出される重力波の大部分はその反跳部分付近で生成されると予想されているからである.星のダイナミクスは差動回転する星の平衡解(T/W〜0.16,T:星の回転運動エネルギー,W:星の重力の束縛エネルギー)を構築して圧力を人為的に引き去って重力崩壊を引き起こして,星の動的な棒状の不安定性の閾値を越えるように選んではじめた.重力崩壊する星がトロイダルな構造を持っていれば,反跳の際の角運動量の再分配により星は棒状の構造を形成する.それに対して,重力崩壊する星が楕円体状であれば棒状の構造は激的には成長しないことがわかった.トロイダルな星の重力崩壊は潜在的に棒状の構造を形成する可能性があるため,この回転する星の中心核の重力崩壊で発生する重力波は、アドバンストLIGOで検出できる可能性は十分にある。 2).小さいT/Wで現れる回転星の動的不安定性 我々は小さいT/Wで現れる星の動的不安定性をニュートン重力場中の流体動力学的手法と線形モード解析を用いて研究した.その結果,小さいT/Wで現れる星の動的不安定性(m=1,2)は星の共回転点で現れることを示し,この星の動的な不安定性が成長するとともに,角運動量を星の共回転点の内側に輸送することを示した.この結果は通常のT/Wで現れる星の動的な不安定性で現れる場合,角運動量を星の外側に輸送する,の傾向とは異なる.このことにより,小さいT/Wで現れる星の動的不安定性は通常のT/Wで現れる場合とは異なる不安定性の生成メカニズムを持つと期待される.最後に,我々はこれらの星の不安定性から生成される重力波の特徴を議論した.
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Research Products
(5 results)