2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作を利用したホヤ卵後極に局在するmRNAの局在機構の解析
Project/Area Number |
02J00967
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹倉 靖徳 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | カタユウレイボヤ / 遺伝子操作 / トランスジェニック技術 / トランスポゾン / Minos / エンハンサートラップ |
Research Abstract |
ユウレイボヤにおいて、遺伝子操作技術を導入し、その技術を用いてホヤ卵内のmRNAの局在メカニズムを明らかにすることを目標に研究を進めている。 昨年度において、Minosトランスポゾンをカタユウレイボヤに導入すると、トランスポゾンが次世代の子孫に受け継がれること、すなわちトランスポゾンがカタユウレイボヤのゲノムDNAに挿入されている可能性を示唆するデーターを得ていた。本年度は、Minosがホヤゲノムに挿入されていることをSouthern blotting,かけあわせによるトランスポゾンの次世代へのtransmissionの割合の検定、並びにTail PCR法により検討し、Minosトランスポゾンがカタユウレイボヤのゲノムに正しく挿入されていること示した。これらのデーターをまとめて科学雑誌に報告した。 Minos transposonによるトランスジェニックホヤの作製の過程において、Minosに組み込まれたレポーター遺伝子が通常とは異なる発現パターンを示すホヤが得られた。これはエンハンサートラップホヤである可能性が高かったため、そのことを検討するべくいくつかの実験を行った。エンハンサートラップホヤにおけるMinosの挿入領域を同定し、Ci-Musashi遺伝子に挿入されていることを突き止めた。Ci-Musashiはレポーター遺伝子とよく似た発現パターンを示すことから、共通のエンハンサーにより発現が制御されている可能性が示され、さらにそのエンハンサー活性がCi-Musashiのイントロン領域に存在することが突き止められた。以上のことから、このホヤではエンハンサートラップが生じていることが支持された。これらのことから、ホヤにおいても、Minosを用いたエンハンサートラップ技術が可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasunori Sasakura: "Application of Minos, one of the Tcl/mariner superfamily transposable elements, to ascidian embryos as a tool for insertional mutagenesis."Gene. 308. 11-20 (2003)
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[Publications] Yasunori Sasakura: "Germ-line transgenesis of the Tcl/mariner superfamily transposon Minos in Ciona intestinalis."Proceedings of National Academy of Science USA. 100. 7726-7730 (2003)