2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01013
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 晴子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員PD
|
Keywords | レクチン / 自己会合 / 液胞 / エンジュ / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
マメ科植物中には、古くから多くのレクチンが報告されている。その中で、エンジュ(Sophora japonica)樹皮由来のsophoragrinは、特異糖およびカルシウム濃度に応答し、自己の糖鎖を介して可逆的に会合するユニークなレクチンであり、師部柔組織の液胞に多量に存在することが示唆された。液胞は機能の全く異なる貯蔵型と分解型が存在し、タンパク質が合成されてから液胞に至るまでにも複数の輸送経路が見い出されていることから、どのような経路を辿りどの液胞に達するかによってsophoragrinの機能は大きく異なることが予想される。そこで本研究では、sophoragrinの生合成、ならびに液胞輸送経路を解析することにより、sophoragrinの自己会合性が液胞機能とどのように関わるかを明らかにすることを目的として、以下のように研究を進めた。 1.Sophoragrin前駆体の解析 エンジュ樹皮から抽出液を調製し、抗sophoragrin抗体を用いて免疫ブロット法によりsophoragrin前駆体を検出した。その結果、9月以降の一年目の枝から抗体反応性の高分子量バンドが数本検出されたため、配列解析を進めている。 2.Sophoragrinのシロイヌナズナ培養細胞への導入と局在 Sophoragrinおよびエンジュ種子由来の液胞局在レクチン(SJA)について、それぞれ緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質を作製し、シロイヌナズナ培養細胞に一過的に発現させて比較した。その結果、sophoragrinとSJAの蛍光パターンが異なったことから、これらのレクチンの輸送経路が異なる可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] H.Ueda, H.Matsumoto, N.Takahashi, H.Ogawa: "Psathyrella velutina Mushroom Lectin Exhibits High Affinity toward Slaloglycoproteins Possessing Terminal N-Acetylneuraminic Acid α2,3-Linked to Penultimate Galactose Residues of Trisialyl N-Glycans. Comparison with other sialic acid-specific lectins"J. Biol. Chem.. 277. 24916-24925 (2002)