2004 Fiscal Year Annual Research Report
光回復酵素及びクリプトクロームタンパクファミリーの作用メカニズム
Project/Area Number |
02J01039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 智子 京都大学, 放射線生物研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光回復酵素 / 紫外線 / DNA修復 / 青色光 / クリプトクローム / サーカディアンリズム / 光受容体 |
Research Abstract |
クリプトクローム(Cryptochrome : CRY)は光回復酵素・青色光受容体タンパクファミリーの一員である。このタンパクファミリーは一次構造のみでなく高次構造もよく似ており、補酵素としてFADを持つフラボタンパクであるといった共通性を持つ。しかしながら光回復酵素は紫外線損傷の修復に、クリプトクロームは概日リズムの制御にと言ったように機能的に多様である。 最近、シアノバクテリアから新しくこのタンパクファミリーに属するタンパクCRY-DASHがクローニングされ、その結晶構造が解かれた。CRY-DASHは細菌ではじめて見つかったクリプトクロームでその後、他の細菌、植物から次々とクローニングされてきた。今回われわれはデータベース検索により魚類(ゼブラフィッシュ)、両棲類(アフリカツメガエル)からCRY-DASHのホモログ遺伝子を発見し、cDNA全長をクローニングした。系統解析の結果この遺伝子は確かにCRY-DASHサブファミリーに含まれることが明らかとなった。両タンパクを精製し解析した結果これらのタンパクがこのタンパクファミリーの特徴であるフラビンと葉酸を補酵素として持っており、弱い光回復酵素活性を持つことが判った。動物クリプトクロームの概日リズム制御における機能は時計遺伝子の転写制御で、転写因子であるCLOCK/BMALの活性を抑制することであるが、この活性は脊椎動物のCRY-DASHにはなかった。 CRY-DASHはFADや葉酸を持つことから光を利用した生命活動に機能しているものと考えられる。今回の解析では弱い光回復酵素活性が検出されたもののこれが本来の機能であるかは明らかではないし、概日リズムとの関与もまだ否定できない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Role of Gln1029 in the photoactivation processes of the LOV2 domain in adiantum phytochrome32004
Author(s)
Nozaki, D., Iwata, T., Ishikawa, T., Todo, T., Tokutomi, S., Kandori, H.
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Journal Title
Biochemistry 43・26
Pages: 8373-8379
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[Journal Article] Identification of cryptochrome DASH from vertebrates2004
Author(s)
Daiyasu, H., Ishikawa, T., Kuma, K., Iwai, S., Todo, T., Toh, H.
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Journal Title
Genes Cells 9・5
Pages: 479-495