2002 Fiscal Year Annual Research Report
選択的オルガネラ分解の分子機構解析とオルガネラ内での有用タンパク質生産への応用
Project/Area Number |
02J01068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向山 博幸 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オートファジー / ペルオキシソーム / オルガネラ分解 / メチロトロフ酵母 / ユビキチン |
Research Abstract |
本申請者は、メタノール資化酵母であるPichia pastorisにおいて、ペルオキシソーム特異的分解機構であるミクロペキンファジーの分子機構の解明を試みた。新規な変異導入法により、ミクロペキソファジー不能変異株であるpaz変異株を100株以上取得し、14種類のPAZ遺伝子を同定した。このうちPAZ2、PAZ3の完全長の遺伝子配列を取得し、本遺伝子産物と蛍光タンパク質GFP、もしくはYFPとの融合タンパク質を構築し、生細胞内において蛍光顕微鏡により観察を行った。これにより、ミクロペキソファジー誘導時にPaz2、Paz3は同一部位への局在を示すことを明らかとした。さらに電子顕微鏡による観察により、ミクロペキソファジー誘導時に新規な膜構造体MIPA(micropexophagic apparatus)が形成されることを初めて明らかにし、Paz2及びPaz3タンパク質はこのMIPAに局在し、MIPAの形成に必須なタンパク質であることを見出した。また、ユビキチン様タンパク質であるPaz2タンパク質がPaz8、Paz12の関与する、ユビキチン化類似の修飾を受け、本修飾により親水性タンパク質であるpaz2は膜タンパク質様の性質を示すことを見いだし、本修飾作用がミクロペキソファジーの進行とMIPAの形成に必須であることを明らかにした。さらに、Paz2には、本修飾に非依存的な機能として、液胞膜形態の維持に関与すると考えられる機能を保持していることを明らかとした。
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Research Products
(1 results)