2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01152
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡澤 慎 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 冷受容器 / パッチクランプ / TRPM8 / TRPA1 / 後根神経節 |
Research Abstract |
末梢の冷受容器の活性化は冷感覚を誘発する。冷受容器の温度受容メカニズムは不明であった。近年、冷受容体の候補遺伝子が2種(非選択的陽イオンチャネルであるTransient Receptor Potentialのファミリーに属するTRPM8とTRPA1)同定されたが、その詳細な分子メカニズムは不明な点が多い。 本年度は、侵害閾の熱が逆説的に冷感覚を引き起こすメカニズムとして、冷受容体と熱受容体が感覚神経で共発現していることだと、示唆した(Neuroscience letters 359(1-2),2004 33-36)。 また、TRPM8とTRPA1は冷却以外に冷感物質にも応答することから冷受容体の候補遺伝子と考えられているが、TRPM8と冷感物質との関係は系統立てて調べられていない。また、TRPA1は刺激物質allyl isothiocyanateにも応答することからTRPA1の活性化が冷感を誘発しているかどうかわからない。そこで、冷感を引き起こす受容体を明らかにするべく、TRPM8とTRPA1の新規アゴニストを同定し、それらの物質が冷感を引き起こすかどうか心理学的に解析し、受容体活性化と冷感の関係を調べた。その結果、TRPM8の新規アゴニストを9種類TRPA1の新規アゴニストを4種類同定した。そして、冷感はTRPA1ではなく、TRPM8が活性化することが必要であることが明らかにした。この結果は、第78回日本薬理学会(2005年3月、横浜)で口頭発表するとともにEuropean Journal of Neuroscienceに投稿中である。
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Research Products
(2 results)