2002 Fiscal Year Annual Research Report
MUレーダー・RASSを用いた水蒸気プロファイリングによる大気微細擾乱の観測
Project/Area Number |
02J01209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古本 淳一 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | リモートセンシング / RASS / ウインドプロファイラ / 大気水蒸気計測 / 大気複合観測 / GPS / ライダー |
Research Abstract |
本課題では大気レーダーとRASSを組み合わせた水蒸気リモートセンシング法の開発を行っている。今までに研究代表者らにより開発されてきたMUレーダー・RASSによる水蒸気測定法の精度をさらに向上させることを目的として、GPSによる可降水量を補足的に併用することで水蒸気プロファイル推定に拘束条件を付加するデータ解析アルゴリズムの改良を行った。その結果、水蒸気の時間高度分布を連続的に安定して推定することが可能となった。本アルゴリズムを1999年7月に約7日間にわたり行われたMUレーダー・RASSキャンペーン観測データに適応し水蒸気推定を行った。推定された水蒸気の時間高度分布は、3時間毎に繰り返されたラジオゾンデ同時観測結果と良く一致したばかりでなく、ラジオゾンデでは捕えることの出来ない1-1.5時間の短周期変動も解明された。MUレーダー・RASSで推定された水蒸気分布は、気象レーダー観測で検出された雨雲の運動、および雨雲の発達・衰退過程と矛盾しないことが明らかになった。 さらにMUレーダー・RASSにより推定された水蒸気の微細構造を検証するため、2002年9月、11月の2回にわたり信楽に設置されたライダーとの同時観測実験を行った。この結果MUレーダー・RASSより推定された水蒸気量はライダーによる観測結果と一致を見ることができた。また本キャンペーンではMUレーダーでは観測できない大気境界層内の水蒸気量を推定するためL帯下部対流圏レーダー(LTR)・RASSを同時に稼動させている。今後本データを詳細に解析することにより大気境界層から中部対流圏に至る水蒸気推定が実現されると期待される。また本課題で開発した水蒸気プロファイル推定法の他レーダーへの適用を行っており、特に赤道直下に設置された赤道大気レーダー(EAR)への応用を今後積極的に行ってゆく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Furumoto, J., K.Kurimoto, T.Tsuda: "Continuous Observations of Humidity Profiles with the MU Radar-RASS Combined with GPS and Radiosonde Measurements"Journal of atmospheric oceanic technology. 20・1. 23-41 (2003)