2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01227
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西崎 伸子 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 野生動物保護 / アフリカ / 住民参加型保全 / エチオピア / 環境社会学 / フィールドワーク / 生態人類学 / 環境保全 |
Research Abstract |
本研究は、アフリカにおける具体的な事例研究をもとにして、自然保護区と地域住民の多面的な関係を明らかにするとともに、他地域の比較を通して地域の特異性と普遍性とを視野にいれて自然保護区に隣接して生きる人々が主体となって野生動物保護にかかわっていくための新たなシステムを見出していくことを目指して研究をおこなった。 平成15年度前半には、平成14年度7月から平成15年度1月までの5ケ月間にわたってエチオピア西南部に位置するマゴ国立公園とその周辺でのフィールドワークで収集したデータを、野生動物保護の政治的側面、地域住民の自然資源の利用の実態、村落の社会・文化・歴史的背景を前回の調査で得た公園内の野生動物の個体数の動態などの生態的なデータと総合的に分析することによって、地域住民が野生動物とのかかわりを主体的にとらえていくしくみを再形成していく上で重要だと思われるポイントを論じる方向で分析した。結果として、住民への管理権の移譲や住民による資源の直接的な利用にふみこんだ「参加型保全」政策を実現する方策は、地域住民が築き上げてきたしくみの中にあることを実証的に示した。 平成15年7月には、上記の現地調査のデータ分析によって明らかになった成果を、ドイツのハンブルグ大学で開催された第15回エチオピア研究国際会議、11月にエチオピア、アジスアベバ大学で開催された、21世紀COE国際フィールド・ステーション連携国際ワークショップ、及び12月に京都精華大学で開催された第28回環境社会学セミナーにおいて発表した。
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Research Products
(1 results)