2002 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の文化と社会意識に関する社会学的研究-勤労青少年文化を中心に-
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02J01421
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪本 博志 京都大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 『平凡』 / 戦後大衆文化 / 若者文化 / 勤労青少年 / サークル / メディア / 大衆雑誌 / オーラルヒストリー |
Research Abstract |
今年度の研究の主要な成果は、戦後大衆文化を代表する雑誌のひとつである『平凡』の(その読者層の変遷等も含めた)沿革を明らかにしたことである。 1945年に創刊され87年に休刊した同誌は、戦後大衆文化を代表する雑誌であるとともに195-60年代にかけて勤労青少年に最も愛読された雑誌であることから、非常に重要性が高い。だが、それにもかかわらずその先行研究は乏しい。そのため、刊行期間のうち最も重要な時期であると判断される1950年代前半における『平凡』とラジオとの立体的なイメージの創造の様相について知見をまとめ、日本出版学会春季研究発表会において報告を行った。また、この報告の概要を『日本出版学会会報』第107号で発表した。このあと『平凡』の創刊から休刊までの沿革を論文にまとめた。これは日本出版学会の機関紙『出版研究』第33号に掲載予定である。その重要性にもかかわらず『平凡』研究の蓄積が乏しいことは上述したが、この論文は『平凡』の創刊から休刊までの沿革をまとめた初の論考となろう。 今年度の主要な成果は、これまで実施した『平凡』に関する文献調査・インタビュー調査で得たデータの一部を上記の形で発表したことであるが、今年度は以前から取り組んでいる勤労青少年サークルの関係者等へのインタビュー調査等も継続して行った。これら今年度までの研究で得た知見及びこれまでの調査研究を踏まえての今後の研究の展望の概要を『週刊読書人』紙上で2003年1月から2月にかけて4回に分けて発表し、研究内容及びその成果を広く一般へと紹介した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 阪本 博志: "『平凡』の42年"出版研究. 33号(掲載予定). (2003)
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[Publications] 阪本 博志: "『平凡』の研究-1950年代前半におけるラジオとの立体的なイメージ構成の創造を中心に-"日本出版学会会報. 107号. 19-20 (2002)
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[Publications] 阪本 博志: "「ニュー・エイジ登場」(197回-200回)"週刊読書人. 2472号-2475号. (2003)