2002 Fiscal Year Annual Research Report
Belle検出器を用いた、b→дγ過程におけるCP対称性の直接的破れの探索
Project/Area Number |
02J01440
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 昌平 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | B中間子 / CP対称性の破れ / 稀崩壊 / 国際研究者交流 / 輻射性崩壊 |
Research Abstract |
b→дγ過程でのCP対称性の直接的破れの探索では、b→дγを含むB中間子の崩壊を再構成し、各事象のフレーバーの特定(b,b^^-のいずれを含むかの特定)を行う。本年度は、主にモンテカルロシミュレーションを用いて、解析方法の確立を行った。再構成に関しては、事象の形状を数値化した変数を効果的に利用することにより、バックグラウンドを抑制することが可能になった。現在はフレーバーの特定の効率の見積りを行っている。フレーバーの特定は再構成された終状態によって行うが、約3分の2の事象が正しく再構成されることがわかっているので、この部分には大きな問題はないと考えている。 一方でb→дγを含む過程がどのような終状態を取るかを理解することは理論的な不定性を減らす上で重要である。そこで、B→kπγ及びB→kππγ崩壊について、Belleで収集された29fb^<-1>のデータを用いて研究を行った。前者については、主にスピン2の共鳴を経て崩壊していることが分かった。後者については崩壊の信号を初めて観測することに成功した。これらの分岐比の測定により、b→дγを含む過程のうち35%が既知のモードで説明できることが分かった。 この解析から本研究で用いるモンテカルロが実際の終状態の分布を完全に説明できないことが分かった。今後はモンテカルロの改良を行ったあと、実際にデータを解析して、CPの非対称度の測定を行う予定である。
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Research Products
(1 results)