2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムおよびキノン化合物をモデルとした酸化ストレスによるTRXの誘導と認識機構解析
Project/Area Number |
02J01544
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 勇ちょる 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | Thioredoxin / Nrf2 / antioxidant responsive element(ARE) / tert-butylhydroquinone / redox regulation / electrophile |
Research Abstract |
Thioredoxin(TRX)はグルタチオン系とならんで細胞内でapoptosis, cell cycle,遺伝子発現制御などの様々な細胞機能を酸化・還元(Redox-regulation)にて調節する。またTRXはウイルス感染(HTLV-1、EBV、HIVなどのウイルスの持続感染)、過酸化水素、紫外線、ダイオキシン類、虚血再かん流、低酸素、鉄ヘム化合物(ヘミン)、キノン化合物などの様々な酸化ストレスによって誘導される生体防御に重要な蛋白分子である。以前、我々はK562細胞株でTRX遺伝子はヘミンによるNF-E2-related factor(Nrf2)転写因子の調節でantioxidant responsive element(ARE)を介して誘導することを明らかにした。今回、我々はelectrophile stressorであるtert-butylhydroquinone(tBHQ)によるTRX遺伝子はAREを介して誘導することを証明した。Electrophoretic mobility shift assay(EMSA)によるNrf2/small MafがAREに結合し、過剰発言によってAREを介してのTRX遺伝子の活性化が確認された。しかしJun/Fosの過剰発言は反応が抑制された。またAREへの結合たんぱくの結合能は酸化・還元剤であるoxidizing agent(diamide)、2-mercaptoethanol(2-ME)によって調節された。さらにTRXの過剰発言はAREを介してのTRX遺伝子の活性化を誘導することを明らかにした。これらのことにより、electrophile stressorに対するAREを介してのTRX遺伝子の活性化機構はTRX蛋白分子を増強するメカニズムであることをあきらかとなった。
|
Research Products
(1 results)