2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立松 明芳 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 固体絶縁物 / 帯電 / 静電プローブ / 数値電解計算 / 逆計算 |
Research Abstract |
本研究では,バルク状固体絶縁物表面の帯電電荷測定に適した多点測定法に基づく帯電電荷測定法を定量性,汎用性の高い実用的な測定法として確立することを目的としている。今年度の研究成果を以下のようにまとめる。 (1)バルク状絶縁物の帯電電荷測定では,多点のプローブ計測値から逆計算によって帯電電荷分布を推定する必要があるが,逆計算で得られる解は不安定に陥り易く,逆計算の安定化のためにペナルティ付き最小二乗法(以下,RLS)の適用が考えられる。RLSを適用した場合の係数値誤差や測定誤差による推定解の変動の上限値を与える式はこれまでに導出されていなかったが,本研究においてRLSによる推定解を基準とした係数値誤差や測定誤差による推定解の変動の上限値を与える式を導出したことにより,RLSを適用した際の推定精度について定量的な検討が可能となった。 (2)本研究では,帯電電荷分布が場所毎に滑らかに変化すると仮定し,画像処理などで用いられるラプラシアンフィルタに基づいて設計した行列(フィルタ行列)をRLSの拘束項に使用する手法を用いているが,任意の帯電区分形状あるいは帯電区分内の電荷密度を一次関数で表現した場合においても適用可能なラプラシアンフィルタの設計方法を提案した。 (3)帯電電荷分布の数値モデル化誤差を低減することを目的とし,帯電電荷分布を帯電区分毎に一次関数で表現した場合の帯電電荷測定の数値シミュレーションおよび実測を行い,区分毎に一次関数で表現する手法が帯電電荷測定に適用可能であることを明らかにした。 (4)帯電電荷測定で取り扱う係数行列は密行列となるため,係数行列をメモリ上に配列確保するためには膨大なメモリ容量を必要とする。しかし,測定対象形状の回転対称性と方程式の解法に反復解法を使用することで,必要なメモリ容量を削減することが可能であることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 立松明芳: "静電プローブによる固体絶縁物の帯電電荷測定"電気学会論文誌. 123-A・10. 1051-1057 (2003)
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[Publications] 立松明芳: "帯電電荷測定法の解析(8)"平成15年電気学会基礎・材料・共通部門大会. 180 (2003)
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[Publications] Akiyoshi Tatematsu: "High-resolution Measurement of Surface Charge for High Voltage Insulating Supports"13^<th> International Symposium on High Voltage Engineering (ISH-2003). 45 (2003)
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[Publications] 立松明芳: "帯電電荷測定法の解析(9)"電気学会放電・開閉保護・高電圧合同研究会. 163-175 (2003)
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[Publications] 立松明芳: "帯電電荷測定法の解析(10)"平成16年電気学会全国大会講演論文集. 1. 138-139 (2003)