2003 Fiscal Year Annual Research Report
インターエレメント化合物を用いる選択的・効率的gem-ビスメタル化反応の開発
Project/Area Number |
02J01641
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
倉橋 拓也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ホウ素 / ケイ素 / カルベノイド / ジメタル化 / シリルボラン / ジボロン / インターエレメント化合物 |
Research Abstract |
本研究は、ジポロンやシリルボランなどのインターエレメント化合物を用いたカルベノイド型化合物の一般的かつ効率的なgem-ジメタル化反応を開発することを目的としている。本年度の主な成果は次の通りである。1-ハロメタン誘導体の水素引き抜き、あるいは1,1-ジハロメタン誘導体のハロゲン-リチウム交換により-98℃または-110℃で調製した1-リチオ-1-ハロメタン誘導体に、同温度でビス(ピナコラート)ジボロンや(ジメチルフェニルシリル)(ピナコラート)ボランなどのインターエレメント化合物を加え、そのまま室温まで昇温させることで、対応するgem-ジメタル化体が収率よく得られることをみつけた。これらのgemジメタル化体はシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製することができる。この反応はボラート錯体形成ののち脱離基のS_N2型脱離、シリル基の1,2-転位により、基質のsp^3炭素をgem-ジメタル化が進行する。インターエレメント化合物として、(トリメチルシリル)(ピナコラート)ボランや(メチルジフェニルシリル)(ピナコラート)ボラン、(トリフェニルシリル)(ピナコラート)ボランなども用いることができる。さらに光学活性シリルボランである(ジメチルフェニルシリル)(ピネンジオラート)ボランを用いると、ジアステレオ選択的にgem-ジメタル化反応が進行した。このようにして得られたgem-ジメタル化合物の二つの炭素-金属結合を手がかりにすることで、立体および位置選択的な炭素骨格構築に使うことができ、天然物合成などにも応用することができるのではないかと考えている。
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Research Products
(1 results)