2002 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素雰囲気下におけるポリオレフィンの物性制御および成形加工
Project/Area Number |
02J01717
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 光子 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 発泡成形 / 結晶化 / CO_2 / ポリオレフィン / 可視化分光セル |
Research Abstract |
ポリオレフィン系高分子に発泡剤ガス(CO_2等)を溶解させ,高分子を微細に発泡させる技術は,自動車・家電産業で,現在注目を集め,開発が必要とされる技術となっている.ガスが溶解することで,樹脂物性および結晶状態が大きく変化するため,これらの因子ならびに装置操作条件が,得られる発泡体の内部構造にどのような影響を与えるのかを明確に把握する必要がある.本研究では,ポリオレフィン系高分子が結晶牲樹脂であることに着目し,光散乱用の可視化分光高圧セルを用いてCO_2高圧下に挙けるポリマーの結晶化過程の観測,およびポリマーの結晶化が発泡プロセスに与える影響についての検討を行った.まず高圧セル内にポリマーを設置し,一定CO_2圧力下,一定温度下において保つ間にどのようにポリマーの結晶化が進行していくのかについて光学顕微鏡(CCDカメラ装備)により観測した.その結果,CO_2が樹脂中に溶解していく様子を表すフロントライン近傍が結晶核となって結晶成長が起こること,ならびにCO_2溶解に伴い,結晶化度が増加していく様子が観測された.また,同じく高圧セル内でCO_2をポリマー中に十分溶解させた後,温度を上昇させることにより,過飽和状態による発泡と温度上昇に伴う結晶化進行が同時に起こる条件下において,光学顕微鏡により発泡過程と結晶化過程を同時に観測した.その結果,結晶化が進行していく部分で気泡核形成が起こりやすいことが観測された.これは結晶力溌泡の核生成サイトの役割を果たすことを示唆するものである.今後,これらの結果を光散乱による結果とともにどのように定量的に評価していくかについて検討する予定である.
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