2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化機構と立体構造に基づくダイズタンパク質の高機能化設計基盤の確立と応用
Project/Area Number |
02J01728
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 如江 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ダイズ / タンパク質工学 / 立体構造 |
Research Abstract |
ダイズタンパク質を高機能化するための設計基盤を確立し、その基盤に基づいてダイズタンパク質の高機能化設計と評価を行うことを目的として、本年度は以下の実験を行った。 (1)プログラムの開発 タンパク質の全アミノ酸配列を、特定のペプチド配列との類似性にしたがってスコア付けするプログラムを開発した。類似性の指標には、アミノ酸の物理化学的性質の類似性を表したスコア値とアミノ酸置換頻度を表したスコア値を用いた。 (2)生理機能性ペプチドの導入設計 作成したプログラムを用いて、ダイズ主要タンパク質であるコングリシニンα'サブユニットの、血圧降下活性ペプチド(RPLKPW)に対する類似性を計算した。高得点(類似性が高いことを示す)を与えたアミノ酸配列に関して、コアのバレル領域に位置し、かつ、コングリシニンの属するクーピンスーパーファミリーで高度に保存された配列を含まないもの、を3種選定した。さちにα'サブユニットの立体構造データを参照し、変異導入設計を行った。 (3)ペプチドの派生効率の評価 設計した変異タンパク質からのRPLKPWペプチドの派生効率を予備的に調べるために、RPLKPWとその前後4残基を含む合成ペプチドの消化実験を行った。3種の合成ペプチド(ap169、ap388、ap412)にペプシンとパンクレアチンを作用させたところ、ap412からの派生効率が最も高かった。 (4)変異タンパク質の発現 遺伝子工学的手法によりα'サブユニツトにap412の変異を導入し、大腸菌株を用いて変異α'を発現させた。変異α'の発現量は少なかったが、約50%が可溶性画分として回収された。 来年度は変異α'の改良(ペプチド導入部位の前後アミノ酸の置換、新たな変異体の作成等)と血圧降下作用の評価を行う。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Nobuyuki Maruyama, Yukie Maruyama, Takahiro Tsuruki, Eiko Okuda, Masaaki Yoshikawa, Shigeru Utsumi: "Creation of soybean β-conglycinin β with strong phagocytosis-stimulating activity"Biochimica et Biophysica Acta. (In press).