2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコン結晶を用いたウラン・トリウム・ヘリウム放射年代決定法
Project/Area Number |
02J01807
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 国見 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウラントリウムヘリウム法 / (U-Th) / He / ジルコン / 放射年代測定 / 火山灰 / 単粒子 |
Research Abstract |
カリフォルニア工科大学に5週間にわたって滞在し、修士課程においてカリウムアルゴン法を用いて詳細に年代を決定した4試料についてウラントリウムヘリウム法の予察的な測定を行った。これにより本年代測定法を利用する上で必要な試料準備・測定装置の操作・測定後のデータ処理や潜在的な問題点について理解を深めることが出来た。測定結果については概ね満足できる数値が得られているものの、主にデータの不足からさらなる測定の必要がある。 これに関連して、ジルコン結晶におけるウランの不均一な分布は本年代測定法において大きな誤差を生じるが、従来のウラン分布測定法は全て破壊検査であり、本年代測定法と併用はできない。この点について、最新の分析機器による非破壊検査の可能性を、従来の中性子照射と化学的エッチングを利用したウラン分布測定との比較を通して模索中である。 また、応用例として琵琶湖湖底ボーリングコア試料の利用を検討しており、そのための予備実験として琵琶湖周辺の地上堆積物中から火山灰試料の採取を行うとともにInternational Continental Scientific Drilling ProgramのLake Biwa and Lake Suigetsu Drilling Project Workshopにおいてウラントリウムヘリウム法を用いた精密年代測定の提案を行った。これはまたアルゴンアルゴン法を併用し、ジスコン結晶を用いたウラントリウムヘリウム法の信頼性向上をも目指すものである。
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