2002 Fiscal Year Annual Research Report
インターニューロンによる神経ネットワークの制御機構
Project/Area Number |
02J01841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森島 陽介 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / インターニューロン / 網膜 |
Research Abstract |
網膜における情報処理の機構には、光の方回選択性という特定の方向に光が動いた時にのみ方向選択的神経節細胞が発火すると言う機構が存在する。その機構には網膜内のインターニューロンであるスターバースト細胞の存在が必要であるこがは明らかにされている。しかしながら、網膜内の神経ネットワークにおいて、スターバースト細胞がどのように方向選択性を作り出しているのかは、依然として明らかにされていない。そこで本研究ではスターバースト細胞が光の方向選択性を作り出す過程においてどのような処理を行っているのかを明らかにすることを目的とする。 昨年度はGFP陽性細胞を顕微鏡下で同定し、スライスパッチクランプを行う系を確立した。そして、スターバースト細胞がグルタミン酸の神経伝達によってどのように制御されているかを調べたところ、この細胞で代謝型グルタミン酸受容体が電位依存性カルシウムチャネルを制御していることを明らかにした。また、網膜内においてスターバーストに多く発現している代謝型グルタミン酸受容体2型(mGluR2)の役割を網膜内のネットワークレベルで調べるために、mGluR2ノックアウトマウスと網膜内においてスターバースト細胞に特異的に(クラゲ緑色発光タンパク)GFPが発現しているGFP(+)トランスジェニックマウスを掛け合わせ、mGluR2^<-/->・GFP(+)マウスを確立した。 今後、スターバースト細胞を介した神経伝達機構をノックアウトマウスを用いてパッチクランプ法で解析し、方向選択性の形成におけるスターバースト細胞の役割を明らかにする。
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