2003 Fiscal Year Annual Research Report
インターニューロンによる神経ネットワークの調節機構
Project/Area Number |
02J01841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森島 陽介 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 網膜 / インターニューロン / コリン作動性ニューロン / プリン受容体 |
Research Abstract |
我々が物体を追視するときには、網膜上を動いていく物体の動きに合わせて眼球を動かす必要があるが、この追視行動を行うためには視覚系において、物体の動きを検出しなければならない。そして、この動きの検出は意外な事に網膜上にて行われている。動きの検出を行うために網膜上で光が特定の方向に動いた時にのみ反応する「方向選択性」と言う機構がある。 そして、網膜の神経ネットワーク中のインターニューロンであるアマクリン細胞のメンバーの1種であるスターバーストアマクリン細胞は、「方向選択性」を作りだすために欠かすことの出来ない細胞で我々の研究室における研究で明らかにされた。 本研究では網膜内ではこのスターバーストアマクリン細胞にのみ特異的にGFPが発現しているトランスジェニックマウスを用いて、形態学的解析、並びに電気生理学的な解析を進めている。 現在の進行状況は、スターバーストアマクリン細胞からパッチクランプ法により全細胞記録をする系を立ち上げこの細胞の電気生理学的性質を解析している。 また網膜のON経路とOFF経路の各々にある、スターバーストアマクリン細胞はこれまで細胞的な性質は同じものだと考えられていたが、慶応大学医学部金田誠博士らとの共同研究により、OFF経路のスターバーストアマクリン細胞のみがプリン受容体の一つであるP2X2受容体を特異的に発現していることがわかり、ON経路とOFF経路のスターバーストアマクリン細胞では性質が異なることが明らかになった。そしてこの成果は現在論文として投稿中である。
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