2003 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いた突然変異生成機構の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
02J01842
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨田 純也 京都大学, 放射線生物研究センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ショウジョウバエ / DNA損傷 / DNAポリメラーゼ / 突然変異生成 |
Research Abstract |
本研究室では、ショウジョウバエのDNAポリメラーゼYファミリー遺伝子の解析を行っている。目指しているのは、このファミリーのメンバーが、どのような機能分担をしているのかを明らかにするとともに、それらの機能分担の欠損が個体レベルでどのような作用を示すのかを観察する事である。このファミリーのメンバーとして、drad30A,drad30B,drev1の3つの遺伝子を得た。我々の研究室ではこれまでに、精製リコンビナントタンパク質を用いたin vitroの系で、これらいずれの遺伝子産物も、損傷を乗り越えるDNA合成(translesion DNA synthesis)活性を持つ事を明らかにしていた。また、遺伝子を高発現するトランスジェニックハエを作製し、RNAiを用いた遺伝子発現抑制系を用い、mRNAの発現レベルと蛋白質レベルを観察した。その結果、いずれの遺伝子もmRNAレベルでは高発現していたが、dRAD30Bは蛋白質レベルで高発現していない事が明らかとなった。 そこで前年度から、細胞レベルで高発現出来ない場所を特定するために、ショウジョウバエの細胞で様々なdRAD30B遺伝子の欠失系統を高発現させるベクターを作成し解析を行った。現在までに明らかになった事は、dmm30BのC末端からある領域まで欠失させた時、dRAD30Bが高発現する事ができた。またショウジョウバエの細胞に内在するdRAD30Bが何らかの修飾を受けていることが明らかとなってきた。現在、高発現を抑制するメカニズムやどの様な修飾を受けているのかを解析中である。
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