2003 Fiscal Year Annual Research Report
太陽表面の多波長観測で探る、3次元磁場構造と活動現象の発生メカニズム
Project/Area Number |
02J01864
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅井 歩 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽 / 太陽フレア / 太陽コロナ / 彩層・光球 / 磁気リコネクション / 太陽面磁場 / 粒子加速 |
Research Abstract |
私は本年度、さまざまな波長域で得られた太陽観測データを詳細に解析することで、太陽フレアで解放されるエネルギーの見積もりを定量的に行った。またこれにより、磁気リコネクションの示唆するエネルギー解放の関係を、定量的に検証した、磁気リコネクションモデルは太陽フレアの形態学的な特長を整合性良く説明するモデルとして議論されるが、定量的な検証はいまだ皆無に等しい。私は、フレア中の各点でのエネルギー解放量を見積もり、Hα線・光球磁場といった、比較的得やすい太陽下層大気の観測データから、観測が非常に難しい、太陽コロナ中でのエネルギー解放量を見積もった。またフレア中の硬X線とHα線での放射源の分布が異なるが、私は、両放射源でのエネルギー解放量を比較し、硬X線源を伴うHα線放射源では他のHα線放射源に比べ、格段にエネルギー解放量が大きいことから、その分布の違いを説明することに成功した。これらの研究結果は論文として掲載されている、もしくは受理されており今後掲載される予定である。 また私は、太陽フレアに伴い観測されたフレアループ上空の下降流について解析を行った。この観測現象は、太陽フレアを説明する磁気リコネクションモデルを示唆する新しい観測事実として注目されている。私は、TRACE衛星によって得られた極紫外線での観測データを詳しく解析し、この下降流が、非熱的放射のバーストに合わせて現れることを発見した。これは、下降流は激しいエネルギー解放、つまり速い磁気リコネクションに付随して生じていることを示している。またこのことから、磁気リコネクションに伴い生成されるプラズモイドが、太陽フレアでのエネルギー解放の早さ・激しさを左右している可能性を示唆している。この研究結果も論文としてすでに掲載されている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 浅井 歩 他: "Evolution of Conjugate Footpoints inside Flare Ribbons during a Great Two-Ribbon Flare on 2001 April 10"The Astrophysical Journal. 586. 624-629 (2003)
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[Publications] 浅井 歩 他: "Downflow Motions Associated with Impulsive Nonthermal Emissions Observed in the 2002 July 23 Solar Flare"The Astrophysical Journal. (印刷中). (2004)
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[Publications] 浅井 歩 他: "Evolution of Flare Ribbons and Energy Release"The Proc.of the 28^<th> International Cosmic Ray Conference. 6. 3367-3370 (2003)
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[Publications] 浅井 歩 他: "Evolution of Flare Ribbons and Energy Release"Advances in Space Research. 32・12. 2561-2566 (2003)
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[Publications] 石井 貴子 他: "Magnetic Neutral Line Rotation in Flare-Productive Regions"The Proc.of the 25^<th> Meeting of the IAU. (印刷中). (2004)
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[Publications] 浅井 歩 他: "TRACE Downflows and Energy Release"The Proc.of the SOHO13. (印刷中). (2004)
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[Publications] 浅井 歩 他: "Downflow as a Reconnection Outflow"The Proc.of the 5th Solar-B Science Meeting. (印刷中). (2004)