2003 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの言語接触に関する調査研究-マア語を中心に-
Project/Area Number |
02J01887
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部 麻矢 京都大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 言語接触 / アフリカ諸言語 / フィールドワーク / マア語 / タンザニア / 社会言語学 |
Research Abstract |
今年度は、特にマア語の文法構造についての分析を中心として研究を行った。今年度のはじめは、昨年度から取り組んでいる、マア語のトーン体系についての研究を継続した。今年度は特に動詞と名詞のトーンの体系について、これまでの現地調査で収集した文法資料から分析を行った。その成果は、「マア語の動詞のトーンについて」として、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の一般共同研究プロジェクト"Studies on African Languages"の研究会において、研究発表をおこなった。 次に、マア語のテンス・アスペクト体系についての分析を行った。テンス・アスペクト体系についての研究は、他の言語においても長期間にわたる深い考察が必要である。今年度は特にこの問題について取り組み、その成果を京都大学大学院文学研究科に博士後期課程の研究報告として提出した。現在もこの問題については継続して取り組んでおり、マア語だけでなく、近隣のバントゥ系言語である、シャンバー語と、マア語に影響をもたらしていると考えられているパレ語のシャンバー語のテンス・アスペクトの体系との比較を行っているところである。 また、これまでに収集した言語資料のうち、音声資料については、DATを用いて整理した。基礎語彙を録音したものについては、IPAを用いて翻字し、エクセル形式にまとめた。これは昨年度より引き続いているものであり、年度ごとに異なるファイルとして保存している。映像資料のうち、デジタルカメラで撮影したものはそのままコンピュータに取り込み、CD-Rなどのメディアに記録し、それ以外のものについては、スキャナを用いて映像をスキャンしたのち、コンピュータに取り込み、CD-Rなどのメディアに記録した。
|