2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞サイズのリポソームを用いたマイクロファクトリー
Project/Area Number |
02J01921
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 正敏 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脂質膜 / ベシクル / リポソーム / 光ピンセット / レーザー / マイクロ・ナノ |
Research Abstract |
初年度・前年度は細胞サイズのリポソームに対し制御因子のみを直接リポソーム内に入れる方法を実験的に確認した。本年度はこの方法を利用して、人工細胞系への遺伝子やタンパク質等のデリバリーの実験を行っている。効率などに関し生細胞と比較検討を行い、アルギニンペプチドにおける取り込み経路の生体反応依存性と物理化学的作用による膜透過との関連を明らかにした。 上記の研究と並行して、コイル状態のDNAを光トラップする研究を実施した。ここで扱うDNA分子は長さが166Kbpの非常に大きいDNAである。コイル状態のDNAは通常条件下での水溶液では光トラップが出来ないとこれまで報告されていたが、今回、光トラップできる実験系を確立した。この実験を通じて、光トラップされたコイルDNAの状態を蛍光顕微鏡で一分子観察し、その経時変化を解析した。概要を簡潔に説明すると、トラップされたDNAは焦点上で圧縮されてトラップされているが、このトラップされた状態がきつく折りたたまれたグロビュール状態なのか、コイル状態のまま圧縮されているかを確認した。解析の結果、レーザーをOFFにした後の膨張過程が、コイル状態の膨張と定性的に一致しており、レーザー焦点に閉じ込められたDNAはコイル状態を保ったまま圧縮されている事が確認された。次に、フリーのDNAとトラップされたDNAを比較して、運動モードに変化があるかを測定した。これは、最近発表された理論の論文に対する検証実験となっており、傾向が定性的に説明できるという結果を得た。このDNAの光操作の研究に関して論文を投稿・査読中である。
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Research Products
(2 results)