2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞サイズのリポソームを用いたマイクロファクトリー
Project/Area Number |
02J01921
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 正敏 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脂質膜 / ベシクル / リポソーム / 光ピンセット / レーザー / マイクロ・ナノ |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞サイズスケールの脂質膜小胞(リポソーム)を用いたマイクロファクトリーの実現である。本年度は、異なる溶液へ細胞サイズのリポソームをレーザーによって輸送することで、外界の環境を変化させ、リポソーム内の溶液の透析と漏出を起こさせる系を確立した。これは顕微鏡上で細胞サイズリポソームを試験管として扱う際の、重要な基本操作となる。 一方で、微小粒子(コロイド)の操作に関しての研究、及び、レーザーを使った生細胞への遺伝子導入の研究を併せて行い、いずれも論文として出版された。前者はコロイド粒子の接触相互作用がsticky(くっつきやすい)である場合に、集光レーザーによってコロイド粒子が直線状に連なった集合体を自発的に形成するという内容であり、外場を用いたナノ粒子の規則的なアセンブリングを実現した。この方法はナノテクノロジーでの応用も期待される。後者は遺伝子導入の研究に於いて新たな手法を提示した。原理的には遺伝子群をまとめて導入できるこの手法は、今後の研究で大いに発展する可能性がある他、リポソームへのデリバリーという観点からも期待される。これらは、論文と共に、学会紀要や日本語総説などで、それらを補足する内容を掲載・掲載予定である。 また、気水界面にレーザーで局所加熱を行うことによりマイクロメーターサイズの水蒸気の非平衡場が形成され、微小水滴の成長と消滅が再現良く繰り返されるという現象を発見した。この現象を解析した論文を作成し投稿中である。これらとは別に、レーザーを用いた高分子の操作方法に関して特許を出願し、この内容に関して現在論文準備中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masatoshi Ichikawa: "Molecular Fabrication : Aligning DNA Molecules as Building Blocks"Langmuir. 19. 5444 (2003)
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[Publications] Koji Kubo: "Optically driven transport into a living cell"Applied Physics Letters. 83. 2468 (2003)
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[Publications] 久保康児: "光ピンセットによる細胞内導入 (日本語総説)"Bioindustry. 10月号. 12 (2003)
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[Publications] Masatoshi Ichikawa: "Molecular assembly under a focused laser"国際学会紀要(The 3^<rd> International Symposium on Slow Dynamics in Complex Systems). (in press).