2004 Fiscal Year Annual Research Report
MeVγ線到来方向検出及びTeVγ線観測による蟹パルサー星雲の粒子加速機構の解明
Project/Area Number |
02J01929
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
折戸 玲子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MeVガンマ線 / タイムプロジェクションチェンバー / マイクロピクセルチェンバー / シンチレーションカメラ / マイクロパターンガス検出器 / コンプトン望遠鏡 |
Research Abstract |
本研究では、微細構造ガス検出器マイクロピクセルチェンベー(μPIC)を用いたタイムプロジェクションチェンバー(TPC)とシンチレーションカメラを用いて、反跳電子の散乱方向が検出可能な次世代コンプトン望遠鏡の開発を行う事により、MeV領域天体ガンマ線観測の感度改善を目指す。平成15年度に引き続き、コンプトン望遠鏡の改良及び蟹パルサー観測のための検出器大型化を進めた。 1.シンチレーションカメラの大型化:従来の10cm角NaI(Tl)アンガーカメラを37cm角に大型化し、コンプトン望遠鏡の検出効率が大幅に改善させた。 2.シンチレーションカメラの高解像度化:GSOとフラットパネルPMTを用いた高解像度ピクセル型シンチレーションカメラの開発と性能評価を行った。ピクセルシンチレータのアセンブリ方法を確立し、量産を開始した。 3.TPC読み出しのゲイン改善:従来のμPICではゲインが不充分であったため、中間ガス増幅器として10cm角キャピラリープレートを導入した。これにより、総ゲイン3万以上で2ヶ月以上の安定性を実現することができ、MIPに関しても十分な検出効率を得ることに成功した。また、30cm角μPICへの中間増幅器の導入にむけて、GEMの動作確認を行った。 4.μPICの改良:チタンコーティング及びザグリ型のμPICに関して試作し、性能評価を行った。 5.TPCの大型化:μPICに関して、従来の10cm角から30cm角の拡張に成功し、基本性能評価を進めた。また。30cm角フィールドケージの製作及びTPC圧力容器の製作を行った。 6.TPCエレクトロニクスの改良:μPICの大型化に伴い、飛跡エンコーディングシステムを新たに製作し、多チャンネル化及びサンプリングの高速化を行った。また、省電力CMOS多チャンネルアンプについてKEK回路室と共同して試作を進めた。
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Research Products
(6 results)