2002 Fiscal Year Annual Research Report
MeVγ線到来方向検出及びTeVγ線観測による蟹パルサー星雲の粒子加速機構の解明
Project/Area Number |
02J01929
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
折戸 玲子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MeVγ線 / Micro-TPC / Micro Pixel chamber / Scintillation Camera |
Research Abstract |
マイクロピクセルチェンバーとシンチレーションカメラを用いたMeVガンマ線到来方向検出器について、Geant4よるシミュレーション及び、10cm角プロトタイプの開発を行った。 シミュレーションでは、気球搭載用に30cm立方ガス層及び2.5mm厚5mm角ピクセルのCsI(Tl)シンチレーターを用いたシンチレーションカメラを仮定し、検出効率、有効面積、角度分解能、エネルギー分解能を算出した。また、実際に気球に搭載した場合に検出されるフォトン数等を、大気圧、観測時間を考慮して計算した。これらの成果については、9月にイギリスで開かれた国際会議(6^<th> conference of position sensitive detector)においてポスター発表を行った。収録はNuclear Instrumental Method誌に掲載される予定である。 MeVガンマ線検出器プロトタイプガス部に関しては10cm角マイクロピクセルチェンバーについて新たに2機が納品され性能評価を行った。これにより従来品より高い安定性、高い増幅率の検出器が実現できた。また、より高い増幅率を得るため読み出しのプリアンプチップについて、時定数の長いものを新たに設計・開発し、納入された試作品200個に対して性能評価を行っている。PSPICEによるシミュレーションの結果では、従来より2倍程度高いゲインが得られるものと期待されている。この結果について、来年度のIEEE国際会議で報告する予定である。 MeVガンマ線検出器シンチレーター部に関しては、10cm角のNaI(Tl)シンチレーターを16本の光電子増倍管で読み出すシステムを25本へと拡張し、位置分解能の向上を実現した。さらに、位置分解能、エネルギー分解能の向上を行うため、Silicon photodiodeのアレイ+CsI(Tl)シンチレーターに関して浜松ホトニクスとともに設計を行った。またflat panel PMTを読み出すためのIDE VATAチップ読み出しシステムについて開発を進めた。 また、以上のガス・シンチレーターを用いたプロトタイプにより、ガンマ線の再構成を実現した。
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