2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01946
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 励 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 医療経済 / 医療費 / 治療選択 / がん検診 / 前立腺がん / アンケート / カルテ / レセプト |
Research Abstract |
1,がん検診に関する費用効果分析 日本人の死亡原因のトップを占めるがん(悪性新生物)は一度罹患すると治癒が難しいため、早期発見・早期治療といった予防の重要性が特に大きい。日本ではがん検診の多くが公共サービスとして行われており、その費用効果の分析も不可欠である。本年度は、前立腺がん検診の最適な検診間隔について、マルコフモデルを用いた費用効果分析を行った。その結果、比較したPSA(前立腺特異抗原)による五つの検診方法のうちもっとも費用効果の優れたものは、全員に毎年検診を行うというものではなく、個人のがんのリスクを反映すると言われるベースラインPSAが2.0以下なら隔年、それ以上なら毎年という方法であった。以上の結果を「マルコフモデルを用いた前立腺がん検診の費用効果分析-最適な検診の設計-」として医療経済研究誌に掲載予定である。 2,レセプト・データを用いた医療サービスのアウトカム分析 もっともありふれた疾患の一つである急性上気道感染症(いわゆるかぜも含む)に関してわが国で行われている治療の内容や治療成果に関する各種資料の整理やデータベースの作成を行った。 3,カルテ・データ、医師へのアンケート調査を用いた医師の薬剤選択に関する分析 昨年度に引き続き、独自に行ったアンケート調査から、医師が薬剤処方の際にどのような因子を考慮にいれるか、経済的なインセンティブの違いが処方行動の違いとなって現れるかどうかについての分析を行った。さらに日本以外の国との医師に対する報酬制度の違いや薬剤処方に関する諸研究との比較を行った。
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Research Products
(1 results)