2004 Fiscal Year Annual Research Report
P進ピリオドとP進L函数のS=0での微分の関係について
Project/Area Number |
02J01950
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加塩 朋和 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CMピリオド / p進ピリオド / L函数 / p進L函数 / 多重Γ函数 / p進多重Γ函数 |
Research Abstract |
導入として吉田敬之教授の予想を挙げる.これはChowla-Selberg公式の一般化を与える.K:CM体,F:総実体,K/F:Abel拡大としたときT∈G:=Gal(K/F)に対して p_K(id,T)≡g_K(id,T):=π^<-μ(T)/2>exp(1/([K:F])Σ__<X∈G^^^_>(χ(T)X(χ_*))/(L(0,χ_*))) (mod Q^^-^×). (1) 右辺を絶対CMピリオドと呼ぶ.ここでG^^^_:Gの奇指標全体,χ_*:指標χを原始指標に取り直したもの,p_K:志村氏のCMピリオドとし,T=id,ρ:複素共役,その他に対しμ(T):=1,-1,0とおく.X(χ_*)は多重Γ函数および指数関数の特殊値で書ける値でArtin L函数の微分と新谷公式によって結び付けられる. 今回吉田教授との共同研究によりこの予想のp進類似を得ることができた.X_pの定義を多重Γ函数をp進多重Γ函数,logをlog_pに取り替えたものとすると今度はp進L函数の微分と関連付けられ新谷公式のp進類似を得る.このX_pを式(1)中にXの代わりに"代入"した値でp進絶対CMピリオドを定義し,p進対数函数log_pをとった値をlg_<p,K>と置く.(πの代わりにはFにp進位相を入れる素イデアルpを取る.)我々の主予想は次の形である.pがK/Fで完全分解する時,T∈Gに対して lg_<p,K>(id,T)≡1/2log_p((B^ρ/B)^<T^<-1>>) (mod Qlog_pO^×_F). (2) これはGross-Koblitz公式の一般化となる.ただしB:Kにp進位相を入れる素イデアルとした.更に両辺の差に対する精密な予想も得ている.それを用いるとGrossによるp進L函数の微分に対する予想を導ける.また式(2)の右辺はコホモロジーの比較により定義されるp進ピリオドのFrobenius作用により出てくる値と一致する.
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