2003 Fiscal Year Annual Research Report
高度にナノ構造を制御した有機-無機ハイブリッド材料の創成
Project/Area Number |
02J01969
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生越 友樹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 有機-無機ポリマーハイブリッド / ゾル-ゲル反応 / 有機高分子 / シリカゲル / 両親媒性溶媒 / ケージド化合物 / 水素結合 / イオン間相互作用 |
Research Abstract |
有機高分子と無機物をナノレベルで複合化した有機-無機ポリマーハイブリッドを得るためには、有機成分と無機成分間での相互作用が不可欠であり、そのため、従来は有機・無機成分間で水素結合などの何らかの相互作用を導入する手法が主に用いられてきた。本研究では、新たなハイブリッド合成法として、有機成分と無機成分間の親和性を向上させるために、両成分と強い親和性を有する相溶化剤を利用し、均一透明なハイブリッドを得ることに成功した。有機・無機両成分ともに強い相互作用を形成するジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルアセトアミド(DMAc)を相溶化剤として用いることにより、均一透明なハイブリッドを得ることができた。従来の有機-無機間に何らかの相互作用が生じるように設計する方法と比べて、この手法では、DMFやDMAcに可溶な有機ポリマーであればよく、実際に種々の汎用ポリマーを用いても容易に均一透明なハイブリッドを得ることができ、工業的な面からも応用が期待される。 また本研究では、得られたハイブリッドの均一性を外部刺激により自在に制御することを目的として、ハイブリッドの相互作用部位にケージ(光保護基)を導入することにより、感光性ハイブリッドの合成に成功した。光照射を行わない場合は、有機-無機成分間での相互作用が弱いために得られたハイブリッドは不透明であるのに対し、光照射を行うことで、ケージ解除反応が進行することに伴い、有機-無機成分間での相互作用が生じ、その結果均一透明なハイブリッドを得ることができた。このようにして得られたハイブリッドは、センサーやメモリ、レジスト材料への応用が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 生越友樹: "Synthesis and characterization of transparent poly(2-methyl-2-Oxazoline) (POZO)-vanadium oxide (V_2O_5) hybrids with reversible formation"J.Mater.Chem.. 13・9. 2202 (2003)
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[Publications] 生越友樹: "Synthesis of Organic-Inorganic Polymer Hybrids Utilizing Amphiphilic Solvent as a Compatibilizer"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 76・9. 1865 (2003)