2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J01985
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸野 重信 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共役リノール酸 / 乳酸菌 / 共役脂肪酸 / 微生物生産 / 機能性脂質 / 脂肪酸代謝 / 脂肪酸変換 / Lactobacillus plantarum |
Research Abstract |
【目的】共役リノール酸(CLA)は抗癌作用、抗動脈硬化など多様な生理活性を示すことから近年注目を集めている機能性脂肪酸である。本申請者は、乳酸菌Lactobacillus plantarum AKU 1009aの洗浄菌体が休止菌体反応においてリノール酸を効率よくCLAへと変換することを報告している。本年度では、この乳酸菌を破砕して得られるcell-free extract (CFE)を用いて、リノール酸からのCLA生産に関与する酵素系の解明を試みた。 【方法と結果】L.plantarum AKU 1009aの洗浄菌体を超音波破砕処理することによりCFEを得た。本CFEを用いリノール酸からのCLA生産を試み、変換反応が進行することを確認した。さらに、本CFEを超遠心分離することにより得られる上清画分(可溶性画分)および沈殿画分(膜画分)について、CLA生産活性を示す面分の検討を行なった。その結果、可溶性画分および膜画分に分散して存在する少なくとも3つ以上のタンパク質が関与することを明らかにした。その内、一つに関しては遺伝子配列を明らかにし、大腸菌での発現に成功した。本遺伝子産物を発現した形質転換大腸菌のCFEとL.plantarum 1009a CFEの可溶性画分ならびに膜画分との相補試験を行ったところ、本遺伝子産物は、L.plantarum AKU 1009a CFEの膜画分に存在する蛋白質の機能を代替しうることが判明した。また、この酵素系に関与する因子としてモリブデン酸(K_2MoO_4)、NADH、NADPHおよびFADを同定した。
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Research Products
(2 results)