2003 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラブル動画像符号化の組込み向け実装法に関する研究
Project/Area Number |
02J02016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
筒井 弘 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スケーラブル符号化 / JPEG2000 / 組込み機器 / エントロピー符号化 / 離散ウェーブレット変換 / コーデック / プログレッシブ復号 |
Research Abstract |
本研究の目的は,スケーラブル動画像符号化の組込み機器への効率的な実装手法の提案である.前年度は,JPEG2000スケーラブル符号化を対象として,様々なシステム要求に対して最適な実装を容易かつ効率的に実現可能とするスケーラブルなデザインフレームワークの実現を目標とし,検討および実装を行ったが,本年度は,符号化だけでなく復号化をも視野に入れ,また実装に際してはコーデック化も考慮し,前述のフレームワークを拡張するべく検討および実装を行った.さらに,動画像符号化に対応できるように高速化するための検討/評価を行った.詳細は下記の通りである. 1.各種モジュールの設計 JPEG2000符号化/復号化処理の中で大きな処理量を要するエントロピー処理および離散ウェーブレット変換(DWT)に関して,専用ハードウェアモジュールを設計,評価した.また,JPEG2000符号化/復号化処理を統合したエントロピーコーデックを設計した.本コーデックは,メモリを共有することによりメモリ量を削減し,処理が同じ回路を共有することにより約20%のゲート数の削減を達成する. 2.デザインフレームワークの拡張 エントロピー符号化およびDWTに関して,その実装をソフトウェア,専用命令により高速化したソフトウェア,および専用ハードウェアから選択可能なデザインフレームワークを提案している.これに対してさらに各種モジュールを設計したことにより,容易かつ効率的に実現できる実装の幅を広げた.また,モジュールを複数搭載し,高速処理を可能とする実装に関する評価を行った. 3.JPEG2000高速プログレッシブ復号手法の提案 JPEG2000符号化方式で符号化された画像はプログレッシブ復号が可能であるが,これを直接的に実現すると,一度復号した画像ストームを複数回復号することになる.そこで,復号結果および復号における中間結果を保持することにより効率的に復号する手法を提案する.
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[Publications] Y.Hayashi, H.Tsutsui 他: "Scalable Design Framework for JPEG2000 Encoder Architecture"Proc.of The 11th Workshop on Synthesis And System Integration of Mixed Information technologies (SASIMI2003). 372-377 (2003)
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[Publications] Y.Hayashi, H.Tsutsui 他: "Design Framework or JPEG2000 Encoding System Architecture"Proc.of IEEE International Symposium on Circuits and Systems (ISCAS2003). 2. 740-743 (2003)
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[Publications] H.Sugita, V.Q.Minh 他: "JPEG2000 High-Speed Progressive Decoding Scheme"Proc.of IEEE International Symposium on Circuits and Systems (ISCAS2004). (2004)