2002 Fiscal Year Annual Research Report
cDNAアレイ法を用いた真核型無機炭素輸送体遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
02J02040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小日向 務 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | クラミドモナス / cDNAアレイ / 無機炭素濃縮機構 / トランスポーター / 低CO_2ストレス |
Research Abstract |
真核光合成生物の炭酸固定において無機炭素(CO_2やHCO_3^-)の細胞内への輸送は、光合成効率を規定する重要な要因である。ラン藻や緑藻類では無機炭素を細胞内へ能動的に輸送するシステム(無機炭素濃縮機構)がある。これは培養中の無機炭素の供給不足で誘導され、逆に供給過剰で抑制されることが分かっている。また、緑藻クラミドモナスではこの機構の誘導制御に遺伝子Ccm1(Fukuzawa et al. PNAS2001)が必須であることが分かっている。 本研究では真核光合成生物の無機炭素輸送体の単離及び解析を目的としている。そこでモデル生物としてクラミドモナスを選び、cDNAマクロアレイを用いた解析を行った。その結果、低CO_2ストレス条件下で顕著に誘導される5つの遺伝子を見い出し、cDNAを単離した。この中には葉緑体局在型の亜硝酸トランスポーターと相同性の高い遺伝子(LciA)やABCトランスポーターと相同性の高い遺伝子(LciF)が含まれていた。また、Ccm1遺伝子に変異を持ち、無機炭素の輸送ができない変異株では上記の各遺伝子が低CO_2ストレス条件下で誘導されず、これらが無機炭素濃縮機構に関連があることを示した。 来年度以降は、RNAi法を用いた発現抑制系、および過剰発現系を構築し、各遺伝子の機能解析を進める。それぞれの遺伝子にコードされるタンパク質の細胞内局在についてWestern Blot解析で調べる予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Miura, T.Kohinata, S.Yoshioka, K.Ohyama, H.Fukuzawa: "Regulation of a carbon concentrating mechanism through CCM1 in Chlamydomonas reinhardtii"Functional Plant Biology. 29 2/3. 211-219 (2002)