2002 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン社会史の中の住宅史:都市型住宅バハイナバトの形成と変容
Project/Area Number |
02J02106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 潔子 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フィリピン / セブ / アメリカ占領期 / 住宅建築 / 文化財保存 |
Research Abstract |
2002年5月-6月には、上智大学図書館などにおいて、フィリピン・セブに関する資料調査を行った。8月は査証申請作業を行い、9月にフィリピンに渡った。 まず、マニラのフィリピン歴史的建造物協会に所蔵されているセブの歴史的な建造物の図面を入手し、国立歴史協会NHIの建造物修復課長に文化財基準についてのインタビューを行った。9月9日にセブ市に移動し、神言修道会系サン・カルロス大学のセブアノ研究センターにて文献資料を集めた。10月より、研究対象であるセブ州カルカル町における歴史的な家屋の現住人にインタビューを開始した。 都市計画と建築の関係を見るために、家屋分布を示す地図が必要であったが、カルカル町の地図が全く存在しないことがわかり、ベースマップ作成から始めることになった。唯一の手がかりであるアメリカ期(1915年)の税収地図を補正しながら、2003年1月にベースマップをCADで完成させた。現在はスペイン期から残る町の中心部の家屋をフィールドワークで調べ、建築年、施主の階層、規模、建材などを地図上に落としている段階である。 現地で所属しているサン・カルロス大学からは、何か講義を受け持つように指導された。無給であり、強制ではないが、外国人研究者の勤めの一つということである。そこで、2002年11月から2003年3月まで、歴史学科の学部生に東南アジア史の講義を週3回行い、歴史の捉え方について現地の若者と意見を交わす機会を得た。 また、セブ市における宗教生活空間に関する体験談を『アジア・アフリカ地域研究』(2003年8見発行)の巻末特集に投稿し、採用された。来年度は、5月-10月にフィールドワークを行い、マッピングとインタビューによる一次資料を集める予定である。
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Research Products
(1 results)