2002 Fiscal Year Annual Research Report
冷却カルシウム原子を用いた精密原子干渉計の開発と時間標準への応用
Project/Area Number |
02J02139
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本多 和仁 東京理科大学, 理工学部・物理学科, 特別研究員 PD
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Keywords | 原子干渉計 / アルカリ土類 / カルシウム / 2色場 / 3準位 / ライトシフト(acシュタルクシフト) / 原子光学 / レーザー冷却 |
Research Abstract |
当研究はカルシウム原子を用いた精密原子干渉計の開発を目標としている。 その原子干渉計の様式のひとつに光の2色場と原子の3準位の相互作用を利用した2色場3準位原子干渉計がある。これまでにこの干渉計を用いてAC効果の測定といった実績をあげてきたが、その理論的解析は行われていなかった。そこで、2色場と3準位の相互作用を含んだハミルトニアンから光ブロッホ方程式に似た方程式を解析的に導き、この相互作用を用いた3つの原子干渉計について、その性能の理論的評価を行った。また、この原子干渉計に用いる原子の供給源が原子ビームの場合とレーザー冷却された原子の場合についての比較も行った。 一方、アルカリ土類の準安定状態を用いた原子干渉計を視野に入れ、この準安定状態の知られていないいくつかのパラメータを測定する実験も必要である。そこで、その準安定状態からの遷移に非共鳴な光を入射した時に起こるライトシフト(ACシュタルクシフト)による原子の波動関数の位相変動を原子干渉計で測定することにした。まず、よく知られた遷移に関してこの実験を行い、それが既知値とよく一致することを確かめた後、目的の遷移にこの実験を行い、その遷移の遷移強度を測定することができた。 こういった原子干渉計の精度を上げるにはレーザー冷却された原子を用いるのが有利である。そこで、カルシウム原子のレーザー冷却により原子を捕捉する実験を行った。 また、去年度まで行ってきた研究についてまとめ、これに関する論文を2つ発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Honda, Y.Takasu, T.Kuwamoto, M.Kumakura, Y.Takahashi, T.Yabuzaki: "Optical dipole force trapping of a fermion-boson mixture of ytterbium isotopes"Physical Review A. 66. 021401(R) (2002)
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[Publications] Y.Takasu, K.Honda, K.Komori, T.Kuwamoto, M.Kumakura, Y.Takahashi, T.Yabuzaki: "High-Density Trapping of Cold Ytterbium Atoms by an Optical Dipole Force"Physical Review Letters. 90. 023003 (2003)