2002 Fiscal Year Annual Research Report
隔膜形成体の構築に関わる新規の細胞骨格関連タンパク質の検索
Project/Area Number |
02J02240
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
五十嵐 久子 姫路工業大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 微小管 / 細胞骨格 / 隔膜形成体 / アクチン繊維 |
Research Abstract |
植物細胞は、赤道面の隔膜形成体と呼ばれる構造内で細胞板が合成されることにより細胞質分裂が終了する。微小管は細胞の分裂面に極性のそろった状態で規則正しく配列し、細胞板の発達とともに、同心円状に広がる。細胞板の材料となる小胞は、微小管に沿って細胞の赤道面に運ばれる。このような、隔膜形成体におけるダイナミックな微小管の構造変化や小胞の輸送には、多くの制御蛋白質が関与していると考えられる。近年、隔膜形成体に局在する微小管関連タンパク質がいくつも同定され、その重要性が示唆されているが、隔膜形成体の分子機構の全容を解明するためには十分ではない。そこで、本研究では、隔膜形成体の構築に関わる未同定のタンパク質を検索することを目的とし以下の実験を行った。 高度に細胞周期を同調できるタバコ培養細胞BY-2を用い、隔膜形成体の細胞骨格成分単離を試みた。培養7日目の細胞は、アフィデコリンとプロピザマイドにより、細胞分裂終期言に同調した。その後、酵素処理により細胞壁を消化し、パーコールを用いた密度勾配遠心分離を用い、隔膜形成体の細胞骨格成分と核を分離した。単離した隔膜形成体の細胞骨格成分を2次元電気泳動で分離し、間期の細胞成分と比較したところ、明らかな違いが見られた。今後、アミノ酸シークエンスを行い隔膜形成体の細胞骨格に特異的な成分の同定を行う予定である。 また、上記の方法で調製した隔膜形成体の細胞骨格成分中には、隔膜形成体への局在がすでに確認されている分子量65、190、215kDa微小管結合蛋白質も検出された。これらのタンパク質は、細胞分裂周期を通じリン酸化などにより、そのアイソフォームを変化させ、隔膜形成体の構築に関与している可能性もある。そこで、間期、分裂中期、分裂終期から調製した細胞粗抽出液において、2次元電気泳動法とウエスタンブロット法を用い、分裂終期特異的な成分を現在検索中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Etuo Yokota, Seiji Sonobe, Hisako Igarashi, Teruo Shimmen: "Plant microtubules can translocated by a dynein ATPase from sea urchin in vitro"Plant Cell Physiology. 36. 1563-1569 (1995)
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[Publications] Hisako Igarashi, Luis Vidali, Etuo Yokota, Seiji Sonobe, Peter K Hepler, Teruo Shimmen: "Actin filaments purified tobacco cultured BY-2 cells can be translocated by plant myosin"Plant Cell Physiology. 40. 1167-1171 (1999)
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[Publications] Hisako Igarashi, Hidefumi Orii, Hitoshi Mori, Teruo Shimmnen, Seiji Sonobe: "Isolation of a novel 190 kDa protein from tobacco BY-2 cells : Possible involvement in the interaction between actin filaments and microtubules"Plant Cell Physiology. 41. 920-931 (2000)
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[Publications] Andrei Smertenko Noriban Saleh, Hisako Igarashi, Hitoshi Mori, Isolde Hauser-Halm, Chang-Jie Jiang, Seiji Sonobe, Clive W.Lloyde, Patrick J.Hussey: "A new class of microtubule-associated proteins in plants"Nature Cell Biology. 2. 750-753 (2000)
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[Publications] Patrick J.Hussey, Timothy J.Hawkins, Hisako Igarashi, Despina Kaloriti, Andrei Smertenko: "The plant cytoskeleton : recent advances in the study of the plant microtubule-associated proteins MAP-65. MAP-190 and Xenopus MAP215-like protein. MOR1"Plant Molecular Biology. 50. 915-924 (2000)