2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜および核におけるイノシトールリン脂質情報伝達系による細胞機能制御機構
Project/Area Number |
02J02245
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
山鹿 真幸 姫路工業大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ホスホリパーゼC / イノシトールリン脂質 / アクチン細胞骨格 / マイクロドメイン / ラフト / カベオラ / カベオリン / Rho |
Research Abstract |
本研究では核および細胞膜直下のアクチンを中心とした細胞骨格制御系におけるイノシトールリン脂質(PI)情報伝達系の役割を明らかにするために、PI情報伝達系において重要な役割を果たしているホスホリパーゼC(PLC)δ1と相互作用するタンパク質の解析を行った。 PLCδ1結合タンパク質p122/RhoGAPの解析。 PLCδ1結合タンパク質としてクローニングされたp122は、これまでにRhoに特異的なGTPase activating proteinであること、PLCδ1の酵素活性を促進することが報告されている。このことよりp122はアクチン細胞骨格系とPI情報伝達系の橋渡しをするタンパク質と考えられる。今回我々はp122の細胞内局在についてBHKおよびMDCK細胞を用いて解析した。緑色蛍光タンパク質融合型p122、EGFP-p122を発現させ、その局在を調べた。EGFP-p122点状の局在パターンを示し、この局在はp122のC末端側に依存した。p122のC末端側にあるSTARTドメインはコレステロール結合ドメインとして知られていることからp122の局在とコレステロールとの関連について調べた。EGFP-p122の局在はコレステロールを除去した細胞では点状の局在を示さなかった。コレステロールは細胞情報伝達のプラットフォームとして機能している膜領域カベオラに多く存在することからカベオラとの関係を調べた。EGFP-p122の局在はカベオラのマーカータンパク質であるカベオリンと共局在した。ショ糖密度勾配遠心によりBHK細胞の分画を行ったところ、p122はカベオリンと同じ低密度分画に存在した。また免疫沈降の結果からp122はin vivoにおいてカベオリンと相互作用していることが示唆された。このことよりp122はカベオラでアクチン細胞骨格とPI情報伝達系の両方を制御していると考えられる。
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Research Products
(1 results)