2003 Fiscal Year Annual Research Report
ニジマス生殖幹細胞をベクターとして用いた新たな遺伝子導入技法の開発
Project/Area Number |
02J02417
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
竹内 裕 東京海洋大学(東京水産大学), 海洋科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 始原生殖細胞 / 幹細胞 / 移植 / トランスジェニック / 遺伝子組換え / ニジマス / キメラ / 配偶子形成 |
Research Abstract |
始原生殖細胞(PGC)は、魚類胚内で唯一、卵や精子への分化能力をもつ生殖幹細胞である。in vitroへ単離したPGCに遺伝子導入を行った後、それらのPGCを卵・精子へと分化させることができれば、遺伝子改変魚を作出できる。本年度は、異種間でのPGC移植技術、および、PGCの体外培養系の開発を行った。 緑色蛍光タンパク質遺伝子を用いた遺伝子改変技術により可視化したニジマスPGCを、同属異種であるヤマメの孵化稚魚の腹腔内へと移植した。移植後の観察により、ニジマスPGCがヤマメ宿主腹腔内の生殖腺内に取り込まれる様子を観察した。さらに、取り込まれたニジマスPGCが、ヤマメ生殖腺内で増殖・分化する様子を追跡調査した。成熟したオスのヤマメ宿主魚から得られた精子を用いてPCR解析を行い、搾出精子内にドナー由来の精子が含まれているかを確認した。また、これらの精子を交配試験に供し、F1世代中にドナー由来であるニジマス稚魚が誕生するかを観察した。PAPD-PCRを用いた遺伝子解析により、得られた稚魚の種判定を行い、ヤマメ宿主魚からニジマス稚魚が産出されることを確認した。 単離したPGCをインビトロで効率的に遺伝子改変することを目的とし、PGCの体外培養系の開発を試みた。ふ化稚魚より単離した生殖腺を、サケ科魚類に由来する種々の繊維芽細胞株上で培養し、PGCの増殖率を調べた。また各種血清、増殖因子を培地に添加することで、PGCの増殖および生存に対する影響を調べた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Goro Yoshizaki, et al.: "Primordial germ cells : the blueprint for a piscine life."Fish Physiology and Biochemistry. 26. 3-12 (2003)
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[Publications] Yutaka Takeuchi, et al.: "Generation of live fry from intraperitoneally transplanted primordial germ cells in rainbow trout."Biology of Reproduction. 69. 1142-1149 (2003)
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[Publications] Terumasa Kobayashi, et al.: "Isolation of highly pure and viable primordial germ cells from rainbow trout by GFP-dependent flow cytometry"Molecular Reproduction and Development. 67. 91-100 (2004)