2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J02794
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 慎二 埼玉医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経発生 / 神経細胞遊走 / 大脳皮質構造 / 分子生物学 / 発生工学 |
Research Abstract |
発生期での神経細胞の遊走の結果、個々の神経細胞の脳での位置決定が行われ、機能的な神経ネットワークが形作られる。本研究は、ヒト無脳回症の原因遺伝子LIS1に着目し発生期の神経細胞の遊走機構の解明を目的とした。特に、LIS1とNUDELが、モーター蛋白質ダイニンと微小管剪断蛋白質カタニンの制御を通し、どのように神経細胞遊走を制御するか生体内外で検証した。 初年度は、Nudelノックアウトマウスの作出および表現型解析と、機能解析のため組み換え蛋白質の産生、精製法の確立を重点的に行った。 1、Nudelの遺伝子改変マウスを作成し、NUDELの神経細胞遊走での役割を遺伝学的に解析した。LIS1変異マウスとの交配により、遺伝学的な相互作用を証明した。(Califorina大学、Wynshaw-Boris先生との共同研究)。 2、cytoplasmic dyneinのモーター活性に対するNUDELとLIS1の影響を解析するため、バキュロウイルスを使用し昆虫細胞に組み換え蛋白質を発現させ、精製する系を確立した(東京大学、豊島先生との共同研究)。 3、kataninの微小管剪断活性に対するNUDELとLIS1の影響を解析するため、バキュロウイルスを使用し昆虫細胞に組み換え蛋白質を発現させ、精製する系を確立した。 4、NudelとLis1のloxP条件付きノックアウトマウスで、電気穿孔法を用いCre遺伝子を遊走神経細胞に特異的に発現させ、NUDELとLIS1の遊走に対する役割を解析する系を開発した(慶應大学、仲嶋先生との共同研究)。 5、kataninノックアウトマウスの作出を行った。 (Calfornia大学、Wynshaw-Boris先生と理化学研究所、バイオリソースセンター吉木先生との共同研究。) 平成15年1月から平成15年3月まで共同研究員として理化学研究所、バイオリソースセンターでノックアウトマウスの作製にあった。
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