2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J02993
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
堀田 耕司 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 脊索 / Wnt / PCPパスウェイ / ホヤ / Brachyury / データベース / ゲノム / 形態形成運動 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
(1)ホヤゲノム中に存在するWnt/PCP経路に関わる遺伝子の網羅的探索及び、(2)ホヤBrachyury下流脊索特異的遺伝子の機能解析を行った。 (1)Ci-Bra下流遺伝子中には形態形成運動を司るWnt/PCP経路に関わる遺伝子が多く含まれていたことから脊索形成とこのパスウェイの関連が示唆される。ホヤにおけるWnt/PCP経路を明らかにする手始めにホヤゲノム中に存在するWnt/PCP関連遺伝子の網羅的アノテーションを行った。その結果、ホヤでは遺伝子重複が起こる前のシンプルなWnt/PCP関連遺伝子セットをもっていることがわかった(国際尾索動物学会、フランス・マルセイユ)。このことはWnt/PCPパスウェイの解析をする上でホヤは遺伝子の機能的重複による実験の難解さを避けて解析できることが示唆される。現在これらの遺伝子の機能解析を行っている。 (2)カタユウレイボヤ脊索特異的遺伝子の一つCi-Noto7は配列特異的転写抑制因子Madホモログである。脊索細胞は神経胚期で分裂を止めることから、ホヤではこの遺伝子が脊索の細胞増殖過程に関わっている可能性が示唆されていた。この遺伝子のノックダウンを行った結果、脊索形成過程を明らかにする上で新しい知見を与えると思われる非常に興味深い表現型を示した。この表現型は脊索細胞特異的GFPが発現している細胞の伸長が複数の方向へ枝分かれしているように見え、中にはY字状になったものも観察された。また、その伸長方向が不規則であった。Ci-Noto7は転写抑制因子をコードしていると示唆されることから、この遺伝子の翻訳を阻害することによって下流の遺伝子の発現抑制が解除された結果、複数方向へ伸長した脊索が生じたのではないかと考えている。現在、他の脊索特異的遺伝子の発現に及ぼす影響も考慮に入れて解析を進めている(発生生物学会、札幌)。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Hotta K, Takahashi H, Ueno N, Gojobori T: "A genome-wide survey of the genes for planar polarity signaling or convergent extension-related genes in Ciona intestinalis and phylogenetic comparisons of evolutionary conserved signaling components."GENE. 317. 165-185 (2003)
-
[Publications] Takatori N, Hotta K, Mochizuki Y, Satoh G, Mitani Y, Satoh N, Satou Y, Takahashi H (The first two authors contributed equally): "T-box Genes in the Ascidian Ciona intestinalis : Characterization of cDNAs and Spatial Expression."Developmental Dynamics. In press. (2004)
-
[Publications] 高橋弘樹, 喜多山篤, 堀田耕司, 上野直人: "ゲノムワイドな発生生物学"わかる実験医学シリーズ「発生生物学がわかる」(羊土社). 120-125 (2004)