2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J02993
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
堀田 耕司 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脊索 / T-box / Brachyury / 比較ゲノム / シスエレメント / ホヤ / バイオインフォマティクス / 転写制御 |
Research Abstract |
(1)シス領域の進化による遺伝子の脊索における発現の獲得に関する研究及び、(2)ホヤゲノム中に存在するT-box遺伝子の網羅的探索を行った。 (1)ホヤゲノム配列データを用いてこれまでに単離してきた脊索特異的Ci-Bra下流遺伝子のうち全長決定された20クローンの転写開始点上流約3kbをPCR法によりカタユウレイボヤゲノムから単離し、脊索特異的転写の起こるシスエレメントの解析を行った。その結果、上流域20クローンのうち8クローンは脊索での特異的発現に十分な領域を含むことがわかった。現在、これら8つの上流配列を段階的に削ったコンストラクトを準備し脊索特異的転写に必要なシス領域のさらなる絞り込みを行っている。今後バイオインフォマティクスとの連携を用いて脊索特異的発現を担うシス領域の効果的な同定を進めていきたいと考えている。 (2)脊索形成に関わる転写因子BrachyuryはT-boxファミリーに属する。カタユウレイボヤ・ドラフトゲノム配列及びEST配列を用いてホヤゲノム中に存在するT-box遺伝子の全容を解明した(アメリカJGIによる会合Ciona "annotation jamboree"、4月)。4つのT-box遺伝子(TBX20、TBX6a、TBX6c、TBX6d)が新たにみつかり、7種類10個の遺伝子が存在することがわかった。系統解析により脊椎動物とホヤの分岐以降、T-box遺伝子の重複が起こっていることが示され、ホヤではより祖先的なT-box遺伝子セットをもつことがわかった。しかしながら、脊椎動物では肢芽のアイデンティティーの決定に関わるTBX4/5サブファミリーに属する遺伝子はホヤではみつからないこと、TBX6a、TBX6b、TBX6cはゲノム上にタンデムに並んでおり、TBX6bとあわせて4つのT-box遺伝子重複がホヤの系譜で独立に起こったことが強く示唆された。
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Research Products
(1 results)