2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03019
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
中平 洋一 京都府立大学, 人間環境学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 葉緑体 / 概日時計 / 転写制御 / 生物発光 / レポータ遺伝子 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った。 1 概日時計による制御を受ける葉緑体遺伝子の網羅的検索 葉緑体における概日性転写リズムが広範に見られる現象であるか否かを検証するために、Run-on転写実験により概日リズムが見られる遺伝子の同定を試みた。当初はコムギを材料とする予定であったが、得られるデータを踏まえた研究の発展性を考慮すると、シロイヌナズナを用いる方が利点が多いと考え、シロイヌナズナでの解析系を準備した。現在までに、マクロアレイ用のプローブを準備し、シロイヌナズナからの無骨葉緑体の大量調製法を確立した。今後Run-on実験を行い、リズムの有無を検討していく予定である。 2 葉緑体遺伝子の発現レポータ系の開発 生物発光レポータとして、4種類のルシフェラーゼ遺伝子を選択し、葉緑体内で高い発現レベルを誇るpsbAプロモータの制御下に置いたコンストラクトを作製した。これらを相同組み換えによりタバコ葉緑体に遺伝子導入した。現在、形質転換植物を解析中であるが、少なくともホタルルシフェラーゼが葉緑体内で発現し、発光活性を示すことが確認できた。今後は(1)導入されたルシフェラーゼ遺伝子のコピー数を増加させる(ホモプラズミック株の確立)、(2)ルシフェラーゼ遺伝子の転写および翻訳産物量と生物発光量の時間的対応の確認、(3)ルシフェラーゼ遺伝子のコドン使用頻度を葉緑体のものに合わせて最適化させるなどを行い、より実用性の高い遺伝子発現モニタ系を確立する。同時に、概日リズムの測定を試みる。 3 シアノバクテリア概日時計蛋白質KaiAの機能解析 PCRエラーを利用してKaiA遺伝子にランダム突然変異処理を施し、得られた多数の変異株でのリズム表現型の解析からKajA蛋白質の機能を推定した(Nishimura et al.,2002)。論文では研究代表者は第二著者となっているが、本研究において第一著者と同等の貢献を果たした。
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