2003 Fiscal Year Annual Research Report
超離散可積分系を中心とする非線形発展方程式の構造の解明および解法の構築
Project/Area Number |
02J03216
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩尾 昌央 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超離散 / 可積分系 / ハミルトン系 / 離散化 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に得られた超離散化可能なハミルトン系に関して、専門の学術雑誌や国内外のワークショップにおいて発表することを第1の目標としていた。超離散化可能なハミルトン系に関する全体的な概要に関しては、雑誌「数理科学,2003年9月,No.483,pp21-28」に掲載された。また、国際会識「ISLAND2」(英国Arran島)、研究集会「可積分系理諭とその周辺-課題と展望を探る」(京都大学)においても報告を行った。これらのワークショップに伴って、それぞれ来年度中に諭文集が出版されそが、それらに発表される論文については、現在投稿中である。 また、これらの超離散化可能な非線形差分方程式に関して、一般的かつ精密な理論構築を行うことを第2の目標としていた。本年度に新しく得られた研究結果としては、内部格子点が原点ただ一つであるような格子凸多角形上にパラメータを持つ自由度1のハミルトン系に関して、パラメータを2項係数に取った場合には、いかなる場合においても必ず超離散化が可能であることを証明した。また同時に、そのようなハミルトン系はユニモジュラー変換により基本的な16個の多角形の場合に帰着できることを証明し、さらにそれら16個の多角形の場合全てにおいて、実際に離散化および超離散化を行った。また、この方法により作られる超離散方式全てに適用可能な、一般解の構成手続きを与えると共に、実際に基本的な16個の多角形の場合全てにおいて、この手続きを適用して一般解を構成した。これらの結果の一部については、本年度3月末に日本物理学会にて報告する。またこれらの成果は諭文として現在とりまとめている。
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Research Products
(1 results)