2002 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部及び下垂体に存在する物質による下垂体機能の調節
Project/Area Number |
02J03295
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
甲田 彩 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | RFamide |
Research Abstract |
ウシガエル視床下部よりRFamide構造を持つペプチドの精製を試みた。その結果、12個のアミノ酸からなるC末端側にRFamide構造を持つペプチドが単離された(Koda et al.,2002)。このペプチドに対する抗体を用いてウシガエル視床下部を免疫組織学的に調べたところ、免疫陽性細胞体はSCNにあって、その軸索を下垂体門脈までのばしていることがわかった。そこで、このRFamide構造を持つペプチドのウシガエル下垂体のホルモン分泌に及ぼす影響を調べた。このペプチドは解離下垂体細胞からのGHの放出を濃度依存的に促進した。またこのペプチドを静脈あるいは腹腔に投与しても仔ガエルおよび成体カエルの循環血液中のGHの量を増加させることも明らかにした。なお、GHの放出効果を持つこのペプチドはほかの下垂体前葉ホルモンであるPRL, LH, FSHの放出には影響を及ぼさなかった。我々はこのRFamideペプチドをGrowth hormone releasing Peptide "fGRP"と命名した。次にこのペプチドをコードしているcDNAの配列を決定した。得られたcDNAは221個のアミノ酸残基からなるタンパクをコードし、予測されるアミノ酸配列から、fGRPのほかにLPXRFamide構造を持つ配列が三つ含まれることがわかった。そこで、抗体カラムおよび質量分析をもちいて、これらLPXRFamideをC末端にもつ3つのペプチドが実際にウシガエル視床下部に存在することを証明した(Ukena et al.,2002)。次に、それぞれのペプチドがウシガエル下垂体前葉ホルモンの分泌に及ぼす影響を調べた。その結果、その内のひとつ(YLSGKTKVQSMANLPQRF-NH2)はGHおよびPRLの放出を濃度依存的に促進し、また仔ガエルに直接投与すると循環血液中のGHおよびPRLの濃度を上昇させることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Koda, K.Ukena, H.Teranishi, K.Yamamoto, Sakae Kikuyama, K.Tsutsui: "A Novel Amphibian Hypothalamic Neuropeptide : Isolation, localization, and biological activity"Endocrinology. 143(2). 411-419 (2002)
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[Publications] K.Ukena, K.Sawada, A.Koda, K.Yamamoto, S.Kikuyama, K.Tsutsui: "Identification of novel hypothalmic LPXRF-amide peptides in the vertebrate brain"Proceedings of the Japan society for comparatire endocrinology. 17. 25 (2002)