2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03325
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 政策綱領分析 / 連合型民主主義諸国 |
Research Abstract |
1.今年度はまず、新党台頭を研究する上で必要となる政策綱領分析の方法を重点的に研究し、その手法の習得に励んだ。まず、同手法が開発されてきたヨーロッパの文献を入手し、政策綱領分析の手がかりとなる有益な先行研究を精読した。その過程で、ヨーロッパの比較研究で用いられている共通の政策コードや数量化の際利用される統計ソフトの重要性を強く認識するに至った。 2.次に、分析時に必要となる統計関連の文献やCD-ROMを購入し、政策綱領分析における実践的理解を深めることに力を注いだ。その過程で、新しい分析手法を射程に収めた論文「ニュー・ポリティックスの台頭と価値観の変容」を雑誌『レヴァイアサン』31号にて発表した。同論文では、環境政党の移民や外国人居住者といった社会的弱者に寛容な政策が、環境政党支持者の賛同を得ている点、反対に、極右政党による移民排斥政策が同党支持者によって熱烈に支持されている点を統計的な分析結果に基づき明らかにした。 3.上記の政策綱領データの収集・分析の準備と平行して、今年度は、西ヨーロッパ諸国、とりわけ、連合型民主主義諸国と称される国々の政治状況の把握に努めた。これにより、ベルギー、スイス、オーストリアなどの連合型民主主義諸国では、何れも新党が出現・台頭しやすい選挙制度を用いている点や、何れの国も既成政党が長期にわたり政権を運営してきた、などの共通点が明らかになった。また、近年の移民の急激な流入が右翼的ポピュリスト政党の台頭の素地となっていることなどの社会的背景が鮮明に浮かび上がった。
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Research Products
(1 results)